ティファニーのロゴといえば、世界中の人々に愛される高級ジュエリーブランドの象徴ですよね。あのエレガントな文字デザインには、どんなフォントが使われているのか気になったことはありませんか?実は、ティファニーのロゴフォントには長い歴史と特別な魅力が隠されているんです。

この記事では、ティファニーロゴに使用されているフォントの正体から、その歴史的背景、デザイン的特徴まで詳しく解説していきます。また、ティファニーらしい高級感を演出する「ティファニーブルー」と呼ばれる特徴的なカラーについても触れながら、似たような雰囲気を持つ代替フォントの情報もご紹介します。デザイナーの方はもちろん、ブランドに興味がある方も必見の内容です!
記事のポイント!
- ティファニーロゴに使われているフォントの正確な名前と特徴
- 歴史あるBaskervilleフォントの背景と魅力
- ティファニーロゴフォントに似た代替フォントの入手方法
- 高級感のあるブランドロゴに共通するフォント選びのポイント
ティファニーロゴ フォントの正体とその魅力
- ティファニーロゴのフォントはBaskerville(バスカヴィル)を使用している
- Baskerville(バスカヴィル)フォントの歴史は18世紀イギリス産業革命時代に遡る
- Baskerville(バスカヴィル)の特徴は細いセリフと鋭利な印象が特徴的
- ティファニーブルーとロゴの組み合わせがブランドイメージを確立している
- ティファニーロゴのフォントはAdobe Fontsで「Baskerville URW」として入手可能
- ティファニーのロゴフォントにはどんな種類が使われているのか
ティファニーロゴのフォントはBaskerville(バスカヴィル)を使用している
ティファニー(Tiffany & Co.)のロゴフォントの正体は、調査の結果、「Baskerville(バスカヴィル)」であることがわかりました。この伝統あるフォントは、ティファニーのブランドイメージにぴったりと合っており、高級感と歴史的な重みを感じさせます。
Baskervilleは文字の横線が細くシャープなデザインが特徴で、伝統や高貴さを感じさせるフォントです。このフォントがティファニーのブランドイメージにマッチしている理由は、気品の高さと由緒正しい伝統を表現できる点にあります。さらに、時代を超えて愛されるコンテンポラリーなスタイルも兼ね備えています。
ティファニーのロゴタイプは、単純にBaskervilleをそのまま使用しているわけではなく、このフォントをベースにカスタマイズが施されていると考えられます。ブランドロゴの場合、基本となるフォントをベースにしながらも、ブランド独自の修正や調整が行われることが一般的です。
実際のティファニーロゴでは、文字間のバランスや一部の曲線などに微調整が加えられている可能性があります。しかし、基本的な形状やデザインの特徴は、Baskervilleフォントの持つ優雅さと品格を忠実に守っています。
なお、Baskervilleフォントは、ジュエリーブランドのティファニーだけでなく、アメリカ発の洋服ブランド「kate spade」などのロゴデザインにも使用されている人気のフォントです。そのクラシカルで上品な印象が、高級ブランドのイメージづくりに貢献しているのでしょう。
Baskerville(バスカヴィル)フォントの歴史は18世紀イギリス産業革命時代に遡る
Baskervilleフォントの誕生は、18世紀のイギリスまで遡ります。このフォントは、イギリスの印刷業者であるジョン・バスカヴィルによって1750年代にデザインされました。当時のイギリスは産業革命が始まった時代であり、多くの産業が機械化され、大規模工場で機械を使って商品を大量生産できるようになり始めた時期でした。
ジョン・バスカヴィルはもともと習字教師や石碑製作者として活動していましたが、後に活版印刷の分野に進出しました。彼は文字の美しさに対する独自の審美眼を持ち、当時の一般的な活字書体に満足できなかったため、新しい書体の開発に着手したと言われています。
興味深いことに、Baskervilleフォントが作られた当時のイギリスでは、あまり受け入れられなかったという歴史があります。しかし、アメリカやフランスでは高く評価され、広く普及することになりました。その結果、国際的な影響力を持つフォントへと成長していったのです。
Baskervilleフォントは、それまでの「オールド・ローマン」からその後の「モダン・ローマン」への移り変わりの過渡期に生まれたフォントであることから、「トランジショナル・ローマン」の代表的フォントと言われています。この時代になると、印刷技術の発展によりインクのにじみの少ない印刷機が使われるようになったため、オールド・ローマン体の時代よりも細く鋭利なラインが表現できるようになりました。
このような歴史的背景を持つBaskervilleフォントがティファニーのロゴに採用されたことは、古典的な美しさと革新的な精神を兼ね備えたティファニーのブランド哲学と見事に合致していると言えるでしょう。伝統を尊重しながらも時代に合わせた革新を続ける姿勢は、ティファニーのブランドアイデンティティを象徴するものとなっています。
Baskerville(バスカヴィル)の特徴は細いセリフと鋭利な印象が特徴的
Baskervilleフォントの最も顕著な特徴は、その洗練された細いセリフ(文字の端にある装飾的な線)と鋭利な印象です。セリフの部分が繊細で、文字本体との対比が美しく表現されています。この特徴により、高級感と格調高さを醸し出しているのです。
Baskervilleに特徴的な要素としては、「Q」の文字のテールに見られる特徴的な折り返しが挙げられます。また、一般的なセリフ体と異なり、「W」の交点にセリフがないのも特徴的です。さらに「g」の文字にある隙間のデザインも、このフォントを識別する要素となっています。
Garamondなどの他のクラシカルなセリフ体と比較すると、Baskervilleはより鋭利でモダンな印象を与えます。特に文字のコントラスト(太い部分と細い部分の差)が強調されており、垂直のストロークが太く、水平のストロークが細いという特徴があります。これにより、文字に力強さと同時に優雅さをもたらしています。
Baskervilleフォントは可読性にも優れており、小さなサイズでも読みやすいという特性を持っています。そのため、ロゴだけでなく、書籍の本文や高級感のあるパッケージデザインなど、様々な用途に活用されています。
ティファニーのロゴにBaskervilleが採用されたのは、このフォントが持つ古典的な美しさと同時に、細部へのこだわりが感じられるデザインが、ジュエリーブランドとしての繊細な職人技とマッチしたからではないかと考えられます。文字そのものが芸術作品のような美しさを持っているBaskervilleは、芸術性の高いジュエリーを作り続けてきたティファニーの理念を視覚的に表現するのに最適なフォントと言えるでしょう。
ティファニーブルーとロゴの組み合わせがブランドイメージを確立している
ティファニーといえば、そのロゴフォントだけでなく、特徴的な「ティファニーブルー」と呼ばれるカラーも重要なブランドアイデンティティの一部です。調査の結果、このティファニーブルーのカラーコードは「#81D8D0」であることがわかりました。この爽やかで上品な水色は、ティファニーのジュエリーボックスやブランド全体のイメージカラーとして世界中で認知されています。
ティファニーブルーとBaskervilleフォントの組み合わせは、視覚的な調和を生み出しています。クラシカルで格調高いフォントと、鮮やかでありながらも上品なブルーのコントラストが、ブランドのイメージを強く印象付けています。この組み合わせにより、伝統と現代性、格式と親しみやすさという、一見相反する要素が見事に融合しているのです。
ティファニーのブランディングの成功事例として、このロゴとカラーの組み合わせは他のブランドにも大きな影響を与えてきました。特に高級ブランドでは、フォントとカラーの選択が顧客の心理や購買意欲に影響を与えるため、非常に重要な要素となっています。
興味深いことに、ティファニーブルーは上絵の具で混色して作ることも可能だそうです。ポーセラーツ(磁器に転写紙や上絵付けを施す技法)の世界では、この色を再現するために特別な配合が行われることもあるようです。それだけ、このカラーが多くの人々に愛され、模倣されたいと思わせる魅力を持っているということでしょう。
ティファニーのようなラグジュアリーブランドがロゴとカラーで成功している理由は、一貫性と独自性にあります。長年にわたってこのフォントとカラーを変えずに使い続けることで、見た瞬間にティファニーだと認識されるブランドイメージの確立に成功しているのです。洗練された優雅なフォントと、爽やかで上品なブルーの組み合わせは、ティファニーの「洗練された贅沢さ」というブランド価値を完璧に表現していると言えるでしょう。
ティファニーロゴのフォントはAdobe Fontsで「Baskerville URW」として入手可能
ティファニーロゴのベースとなっているBaskervilleフォントは、現代ではデジタル化され、様々なバージョンが存在します。その中でも、Adobe Fontsでは「Baskerville URW」という名前でこのフォントを入手することができます。Adobe Creative Cloudを契約している方であれば、追加料金なしでこのフォントを使用できるのは大きなメリットでしょう。
「Baskerville URW」はドイツのURW社がデザインしたバージョンで、オリジナルのBaskervilleフォントの特徴を忠実に再現しています。もう一つの選択肢として、Adobe Fontsでは「Baskerville PT」というロシアのパラタイプ社がデザインしたバージョンも利用可能です。どちらも、ティファニーロゴのような高級感のあるデザインを作るのに適しています。
Adobe Fontsを利用するには、基本的にはAdobe Creative Cloud(Photoshop、Illustratorなど)の有料プランを契約する必要がありますが、無料でAdobe IDを作成するだけでも1,000以上のフォントが使用できるという情報もあります。有料プランを契約すれば、20,000種類以上のフォントが使い放題になります(2022年11月時点の情報)。
Adobe Fontsの便利な点は、「フォントを追加」ボタンを押すだけで、PhotoshopやIllustrator、Premier Proといった各種ツールでフォントが利用できる点です。この一発同期機能により、デザイン作業がより効率的になります。
ただし、重要な注意点として、ティファニーのロゴを模倣したり、そのまま商用利用したりすることは商標権や著作権の侵害になる可能性があります。Baskervilleフォント自体を使用することは問題ありませんが、ティファニーと混同されるようなデザインを商用目的で使用することは避けるべきでしょう。あくまでも、Baskervilleフォントの持つ高級感や優雅さをインスピレーションとして、オリジナルのデザインを作成することをおすすめします。
ティファニーのロゴフォントにはどんな種類が使われているのか
ティファニーのロゴフォントとして使われているBaskervilleですが、実はティファニーは社内で様々な用途に合わせて複数のフォントを使い分けていることがわかっています。公式サイトの情報によると、ティファニーでは刻印サービスにおいて6種類のフォント(字体)を提供しています。
具体的には、American Typewriter、Block、Sterling Roman、Script、French、Sterling Italicの6種類のフォントから選ぶことができます。これらのフォントはジュエリーなどへの刻印用に最適化されており、それぞれに異なる印象を与えます。例えば、ScriptやFrenchはより装飾的で華やかな印象を、BlockやAmerican Typewriterはよりモダンでシンプルな印象を与えるでしょう。
また、ティファニーのブティックでは、18Kゴールドとプラチナの婚約指輪や結婚指輪への刻印サービスも提供しています。ここでも筆記体・活字体・大文字・小文字といった様々なフォントの選択肢があります。購入後6ヶ月以内であれば、16文字まで無料で刻印してもらえるサービスも行っているようです。
ティファニーのような高級ブランドが複数のフォントを使い分けているのは、それぞれの商品やコミュニケーションの目的に合わせて、最適な印象を与えるためと考えられます。メインロゴにはクラシカルなBaskervilleを使用しつつも、商品の刻印やカタログ、広告などでは他のフォントも適宜使い分けることで、ブランドの多面性を表現しているのでしょう。
ただし、ブランドの一貫性を保つため、これらのフォントはすべてティファニーのブランドイメージに合うように厳選されていると考えられます。高級感、上品さ、伝統といった共通のイメージを持ちながらも、少しずつ異なる表情を持つフォントの使い分けが、ティファニーのブランド戦略の一部となっているのです。

ティファニーロゴ フォントに似た代替フォントと活用法
- Baskervilleに似たフリーフォントはGoogle Fontsで入手可能
- セリフ体とは何か?クラシカルな印象を与えるその特徴
- 高級ブランドロゴに好まれるセリフ体フォントの共通点
- 商用利用可能なBaskervilleに似たフリーフォントの入手方法
- フォントのカスタマイズでオリジナルロゴを作成する方法
- ティファニーロゴのような高級感あるデザインに適したフォントの選び方
- まとめ:ティファニーロゴ フォントの魅力と活用のポイント
Baskervilleに似たフリーフォントはGoogle Fontsで入手可能
ティファニーロゴのベースとなっているBaskervilleフォントに似た雰囲気を持つフォントは、実はGoogle Fontsなどの無料フォントサービスでも入手可能です。特に「Libre Baskerville」は、オリジナルのBaskervilleを基にしたフリーフォントで、Google Fontsで無料で提供されています。
Libre Baskervilleは、Baskervilleの持つ古典的な優雅さを継承しつつ、ウェブでの使用に最適化されているのが特徴です。文字間のスペースが若干広めに設定されているため、画面上での可読性が高くなっています。このフォントは個人利用だけでなく、商用利用も可能なオープンライセンスで提供されているため、幅広いプロジェクトで活用できます。
他にもGoogle Fontsでは、「Lora」「Playfair Display」「Crimson Text」などのフォントが、Baskervilleに似た高級感のある印象を持っています。これらはいずれもセリフ体(装飾のある書体)であり、クラシカルな印象を与えたいデザインに適しています。
また、「Baskervville」(最後にvilleと表記されていることに注意)というフォントもGoogle Fontsで提供されており、こちらもオリジナルのBaskervilleからインスピレーションを受けたデザインになっています。
これらのフリーフォントを使用する際の利点は、ライセンス料を支払うことなく自由に使えることですが、一方で欠点としては、オリジナルのBaskervilleと比べると細部のディテールや文字のバランスに若干の違いがあることが挙げられます。しかし、一般的な用途であれば、これらの無料フォントでもBaskervilleの持つ高級感や優雅さを十分に表現することができるでしょう。
特に個人プロジェクトや予算の限られた小規模ビジネスにとっては、これらのフリーフォントは貴重な選択肢となります。ティファニーのような高級ブランドのイメージを参考にしつつも、無料で入手できるフォントを活用して、洗練されたデザインを作成してみてはいかがでしょうか。
セリフ体とは何か?クラシカルな印象を与えるその特徴
セリフ体とは、文字の端に「セリフ(serif)」と呼ばれる線状または長方形状の装飾がついている書体のことを指します。この装飾が文字に古典的な印象を与え、歴史や伝統を感じさせる効果があります。ティファニーロゴに使用されているBaskervilleも、このセリフ体の一種です。
セリフ体は世界でもっとも古い書体のひとつで、古代ローマで生まれた文字をもとに作られたことから「ローマン体(Roman typeface)」とも呼ばれています。印刷の手法として活版印刷が主流だった15世紀頃に、最初のセリフ体の活字が作られました。
セリフ体の大きな特徴として、文字の線の太さに変化があることが挙げられます。これは平筆やハケで書いた文字がベースとなっているため、筆の動きによる自然な太さの変化を表現しています。例えば「A」の文字では、セリフ体の場合、左右の縦線の幅が異なっていることが多いです。
このような特徴により、セリフ体には手書き文字の名残が見られ、人が書いたような温かみや筆跡を感じられます。日本語でいうと明朝体に近いニュアンスを持っており、格式高さや伝統を表現したい場合によく用いられます。
セリフ体は、その装飾の形状によって大きく3つのタイプに分類されます:
- ブラケットセリフ(Bracketed serif):セリフと文字の線のつながりが三角形のように見え、筆で書いたような柔らかさと温かみを感じさせます。
- ヘアラインセリフ(Hairline serif):髪の毛のように細く直線的なセリフで、シャープな印象を与えます。
- スラブセリフ(Slab-Serif):平たい木や石の板のような厚みのあるセリフで、力強さや安定感を表現します。
ティファニーロゴで使用されているBaskervilleは、主にヘアラインセリフの特徴を持ちながらも、一部にブラケットセリフの柔らかさも併せ持つ、バランスの取れたデザインとなっています。このようなセリフ体の特徴が、ティファニーのブランドイメージである「伝統と革新の融合」を視覚的に表現することに貢献しているのです。
高級ブランドロゴに好まれるセリフ体フォントの共通点
高級ブランドのロゴデザインを見てみると、ティファニーだけでなく多くのブランドがセリフ体フォントを採用していることがわかります。調査の結果、これらのブランドロゴに使われるセリフ体フォントには、いくつかの共通点があることが見えてきました。
まず第一に、多くの高級ブランドは「伝統」や「歴史」を感じさせるセリフ体を好む傾向にあります。例えば、プラダ(Prada)は「Rosella Solid」、ディオール(Dior)は「LTC Nicholas Cochin Pro Regular」、ブルガリ(BVLGARI)は「Aviano Regular」といったセリフ体を使用しています。これらのフォントに共通するのは、クラシカルな雰囲気と高級感です。
第二に、ファッションやジュエリーの高級ブランドでは、特に「Didot」や「Bodoni」といった、縦線が太く横線が細いコントラストの強いセリフ体が好まれる傾向があります。例えば、アルマーニ(Giorgio Armani)は「Didot LT Pro Roman」を、ファッション雑誌の「VOGUE」は「Didot LT Pro Headline」を使用しています。これらのフォントは、モダンさとエレガンスを併せ持ち、ファッション業界で特に人気があります。
第三に、高級ブランドのロゴには、単にフォントをそのまま使うのではなく、ブランド独自にカスタマイズが施されていることが多いという点です。文字間のスペース(カーニング)の調整や、特定の文字の形状の微調整などが行われ、ブランド独自の個性を表現しています。
また、ラグジュアリーブランドのロゴフォントには、シンプルさと読みやすさも重要な要素となっています。複雑すぎる装飾やデザインは避け、洗練された印象を与えるフォントが選ばれる傾向にあります。
興味深いことに、数年前には多くのハイファッションブランドがロゴデザインをセリフからサンセリフ体に変更するという流れもありました。これは、よりモダンでミニマルな印象を与えるためと考えられますが、それでもなお、多くの高級ブランドはクラシカルなセリフ体を守り続けています。伝統と格式を大切にするブランドにとって、セリフ体フォントは欠かせない要素と言えるでしょう。
商用利用可能なBaskervilleに似たフリーフォントの入手方法
「Baskerville」のような高級感あるフォントを商用利用したいけれど、ライセンス料を支払うのは難しい…そんな方のために、商用利用可能なBaskervilleに似たフリーフォントの入手方法をご紹介します。
まず最も簡単な入手方法は、Google Fontsの利用です。前述した「Libre Baskerville」はGoogle Fontsで提供されており、完全無料で商用利用も可能です。Google Fontsを利用するには、サイト(fonts.google.com)にアクセスして、「Libre Baskerville」と検索するだけです。ダウンロードして自分のPCにインストールするか、ウェブサイト用にCSSとして組み込むことができます。
他にも「EB Garamond」もGoogle Fontsで提供されているフリーフォントで、Baskervilleとは異なりますが、同様にクラシカルな印象を持つセリフ体フォントです。Garamondは16世紀半ばにフランス人のクロード・ギャラモンが作った活字をベースにしており、Baskervilleよりも少し古い時代の雰囲気を持っています。
Adobe Fontsを利用している方であれば、「Baskerville URW」や「Baskerville PT」を追加料金なしで使用できます。Adobe Creative Cloudを契約していれば、IllustratorやPhotoshopなどのアプリケーションで簡単にこれらのフォントを使用できます。
また、Font Squirrelというサイトでは、商用利用可能なフリーフォントを多数提供しています。「Libre Baskerville」や「GFS Didot」など、高級感のあるセリフ体フォントを無料でダウンロードできます。
フォントの入手後、そのライセンスを必ず確認することが重要です。多くのフリーフォントは個人利用と商用利用の両方に対応していますが、中には商用利用に制限がある場合もあります。また、フォントによっては、使用する際に作者のクレジット表記が必要なものもあります。
商用利用の場合は特に、フォントのライセンス条件をしっかりと確認し、問題なく使用できることを確認してからプロジェクトに取り入れるようにしましょう。適切なライセンスのフォントを使用することで、法的なトラブルを避け、安心してデザイン活動に取り組むことができます。
フォントのカスタマイズでオリジナルロゴを作成する方法
高級ブランドのロゴに使われているフォントをそのまま使うだけでは、オリジナリティに欠けてしまいます。ここでは、Baskervilleのようなフォントをベースにしながら、オリジナルのロゴデザインを作成するためのカスタマイズ方法をご紹介します。
まず基本的なアプローチとして、文字間のスペース(カーニング)の調整があります。ティファニーのロゴをよく見ると、文字と文字の間隔が通常のBaskervilleフォントとは少し異なっています。グラフィックデザインソフト(IllustratorやPhotoshopなど)を使って、文字間のスペースを微調整することで、より洗練された印象を与えることができます。
次に、特定の文字の形状を微調整する方法があります。例えば、「&」や「T」などの特徴的な文字に少し手を加えることで、オリジナリティを出すことができます。Illustratorであれば、文字をアウトライン化(テキストを図形に変換)した後、アンカーポイントを調整して形状を変えることが可能です。
文字の傾斜角度を調整することも効果的です。通常のフォントよりも少し傾けたり、逆に垂直に立てたりすることで、印象を変えることができます。ティファニーロゴの場合は垂直に立っていますが、少し傾けることでよりカジュアルな印象になるでしょう。
ロゴデザインでは、複数のフォントを組み合わせる手法も広く使われています。例えば、「Tiffany」と「& Co.」で異なるフォントやサイズを使用することで、視覚的な階層を作り出すことができます。基本はBaskervilleでも、一部の文字に別のフォントを使うことで独自性が生まれます。
さらに高度なカスタマイズとして、文字の一部を修正したり、独自の装飾を加えたりする方法もあります。例えば、セリフ(文字の端の装飾)の形状を少し変えたり、文字の角を丸くしたり尖らせたりすることで、ブランドの個性を表現できます。
ポーセラーツの事例にあったように、ロゴの輪郭を地道にトレースして作成するという方法も、オリジナリティを出すための一つの手段です。確かに地味な作業ですが、その分緻密に作成することができ、オリジナルのロゴフォントが完成します。
最後に、フォントだけでなく、ティファニーブルーのような独自のカラーを組み合わせることも重要です。色彩は感情や印象に大きな影響を与えるため、ブランドイメージに合った色選びが求められます。独自のカラーパレットを開発することで、フォントとの相乗効果が生まれ、より記憶に残るロゴデザインが実現できるでしょう。
ティファニーロゴのような高級感あるデザインに適したフォントの選び方
ティファニーのようなラグジュアリーブランドの雰囲気を持つデザインを作りたい場合、フォント選びは極めて重要です。ここでは、高級感あるデザインに適したフォントの選び方について解説します。
まず、高級感を演出するには、セリフ体フォントがおすすめです。特に伝統と歴史を感じさせるクラシカルなセリフ体フォントは、信頼性や品質の高さを表現するのに適しています。Baskerville以外にも、Garamond、Caslon、Sabon、Minion、Didot、Bodoniなどが高級感のあるデザインに適したセリフ体フォントとして挙げられます。
これらのフォントの中でも、特に「Didot」や「Bodoni」は、ファッション業界で好まれるフォントです。細いヘアラインセリフと太い縦線のコントラストが特徴で、エレガントでモダンな印象を与えます。「VOGUE」や「Armani」など多くのファッションブランドがこれらのフォントをベースにロゴをデザインしています。
一方、より伝統的で温かみのある印象を与えたい場合は、「Garamond」や「Caslon」が適しています。これらのフォントは文字の線とセリフが曲線で柔らかくつながっているのが特徴で、優雅で親しみやすい印象を与えます。
フォントを選ぶ際は、そのブランドやプロジェクトが伝えたいメッセージや価値観に合わせて選ぶことが大切です。例えば、伝統や職人技を重視するブランドであれば、より古典的なセリフ体が適しているでしょう。一方、モダンでコンテンポラリーな印象を与えたい場合は、よりシャープなセリフ体やサンセリフ体も検討する価値があります。
また、フォントの可読性も重要な要素です。特にウェブサイトやアプリなどデジタルメディアでの使用を想定している場合は、画面上での可読性が高いフォントを選ぶ必要があります。例えば、Libre BaskervilleはWebでの使用に最適化されているため、オンラインでの高級感あるデザインに適しています。
最後に、一つのフォントだけにこだわる必要はありません。多くのブランドでは、メインのロゴにはセリフ体を使用しつつ、ウェブサイトや広告などでは別のフォントを組み合わせて使用しています。ティファニーも、様々な用途に合わせて複数のフォントを使い分けています。フォントの組み合わせによって、より豊かな表現が可能になります。
いずれにしても、高級感あるデザインを目指す場合は、フォントの歴史や特徴をよく理解し、ブランドの世界観に合ったフォントを選ぶことが成功への鍵となるでしょう。

まとめ:ティファニーロゴ フォントの魅力と活用のポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- ティファニーのロゴフォントは「Baskerville(バスカヴィル)」をベースにしており、気品高く伝統的な印象を与える
- Baskervilleフォントは18世紀のイギリス産業革命時代にジョン・バスカヴィルによって作られた歴史あるフォント
- Baskervilleは細いセリフと鋭利な印象が特徴で、文字の横線が細くシャープなデザインが高級感を演出している
- ティファニーのブランドイメージは、Baskervilleフォントと特徴的な「ティファニーブルー」(#81D8D0)の組み合わせによって確立されている
- ティファニーロゴのベースとなるフォントはAdobe Fontsで「Baskerville URW」として入手可能
- ティファニーでは公式に6種類のフォント(American Typewriter、Block、Sterling Roman、Script、French、Sterling Italic)を刻印サービスで提供している
- Baskervilleに似たフリーフォントとして「Libre Baskerville」がGoogle Fontsで無料提供されている
- セリフ体は文字の端に装飾がついたフォントで、古典的・伝統的な印象を与える特徴がある
- 高級ブランドのロゴには「伝統」「歴史」を感じさせるセリフ体フォントが多く採用されている
- 商用利用可能なフリーフォントはGoogle FontsやFont Squirrelなどで入手可能だが、ライセンス条件の確認が重要
- フォントをカスタマイズする際は、文字間のスペース調整や特定文字の形状変更、傾斜角度の調整などが効果的
- 高級感あるデザインには、Baskerville以外にもGaramond、Didot、Bodoniなどのセリフ体フォントが適している
- フォント選びはブランドが伝えたいメッセージや価値観に合わせることが重要で、可読性も考慮すべき
- 一つのフォントだけでなく、複数のフォントを組み合わせることでより豊かな表現が可能になる