ブシュロンのジュエリーケースが2024年頭から大きく変わったって知ってた?従来の白い化粧箱から、アルミとフェルトを使ったサスティナブルなケースへと変更されたんだよね。「No Pack is the New Pack(梱包しないという新しい選択肢)」というコンセプトのもと、環境に配慮した素材選びと斬新なデザインで業界内外から注目を集めている新ケースについて徹底解説するよ!

このアルミケース、見た目の印象からは賛否両論あるみたい。「スタイリッシュな弁当箱」「灰皿みたい」なんて声もあれば、環境への配慮を評価する声も。特にブライダル用途では従来の重厚感ある「パカッ」と開くケースが好まれていたこともあり、結婚指輪を購入予定の人には気になるポイントかも。今回は新旧ケースの違いや特徴、評判まで詳しく紹介していくね!
記事のポイント!
- ブシュロンのケースがアルミに変わった背景と「No Pack is the New Pack」コンセプトについて
- 新旧ケースの具体的な違いと特徴、デザインの意図
- アルミケースに対する評判とブライダル用途での懸念点
- ブシュロンのアルミケースの今後と買取相場への影響
ブシュロンのケースがアルミに変わった理由と特徴
- ブシュロンのケースがアルミ素材に変更された背景はサステナビリティへの取り組み
- ブシュロンのアルミケースは「No Pack is the New Pack」という新コンセプトに基づく設計
- 新型アルミケースの特徴は環境に配慮した素材選びとミニマルデザイン
- 従来の白いケースとアルミケースの違いは素材だけでなく開封体験にも及ぶ
- ブシュロンのアルミケースのデザインにはヴァンドーム広場の要素が取り入れられている
- アルミケースには路面店限定の金具付き巾着などの特別仕様も存在する
ブシュロンのケースがアルミ素材に変更された背景はサステナビリティへの取り組み
ブシュロンがジュエリーケースをアルミ素材に変更した最大の理由は、環境への配慮とサスティナビリティへの取り組みにあります。2021年、ブシュロンCEOのエレーヌ・プリ=デュケンが中心となり、従来のジュエリーケースを見直すプロジェクトが発足しました。
調査の結果、当時使用していたジュエリーケースには「大きさや重量が過剰」「素材や種類が多すぎる」「リサイクルできない」など多くの改善点があることが明らかになりました。これを受けて、環境負荷を最大限に減らすべく、ジュエリーケースの設計を白紙に戻して一から見直すことになったのです。
プロジェクト開始から完成までには2年の歳月を要しました。その間、原材料の選択から製造工程、そして活用後の循環まで、ライフサイクル全体を最適化することに注力したとのこと。これはブシュロンの環境に対する強いコミットメントの表れと言えるでしょう。
ブシュロンに限らず、高級ブランドがサステナビリティを意識した取り組みを強化する動きは近年顕著になっています。特にジュエリー業界では、原材料の調達から製造、販売に至るまで環境への配慮が重要視されるようになってきました。
このアルミケースへの変更は、ブシュロンがジュエリー業界でのサステナビリティ推進の先駆者として、大胆な一歩を踏み出した象徴的な取り組みと言えるでしょう。
ブシュロンのアルミケースは「No Pack is the New Pack」という新コンセプトに基づく設計

ブシュロンの新しいジュエリーケースは「No Pack is the New Pack(梱包しないという新しい選択肢)」というコンセプトに基づいています。このコンセプトは、CEOのエレーヌ・プリ=デュケンが提唱したもので、従来の過剰包装から脱却し、最小限の素材で必要十分な機能を持たせることを目指しています。
プリ=デュケンCEOは、担当チームがケースの色や形を変更したいと提案してきた際に「もしケースを見直すのであれば、”梱包しない”という選択をしたい」と返答。どんな奇想天外な発想でもいいから、現状とはまったく異なるものが必要だとチームに依頼したとのことです。
このコンセプトに基づき、サステナビリティやエコデザインを専門とするコンサルタントと協業し、様々なブレインストーミングを経て生まれたのが現在のアルミケースです。従来の化粧箱や紙袋、リボンなどの過剰包装をやめ、必要最小限の素材でジュエリーを保護する設計になっています。
ジュエリー購入時には、通常リボンをかけたりと素材を増やしていく傾向がありましたが、ブシュロンではギフトの場合でもリボンではなく、リユース可能な緑のポーチにケースを入れる方式に変更。これによって不要な資材を削減し、環境負荷を減らす取り組みを実現させています。
このような「梱包しない」という逆説的なアプローチは、ラグジュアリーブランドとしては非常に革新的であり、業界内でも注目を集めています。従来の豪華さや華やかさとは異なる価値観を提示する挑戦的な取り組みと言えるでしょう。
新型アルミケースの特徴は環境に配慮した素材選びとミニマルデザイン

ブシュロンの新型アルミケースの最大の特徴は、環境に配慮した素材選びとミニマルデザインです。このケースは、再生可能なアルミニウムとウールフェルトという2つの自然素材のみを使用しています。特筆すべきは、接着剤を一切使用していない点です。
当初12種類もあったケースの種類は7種類に削減され、使用されていた11種類の素材も2種類に大幅に削減されました。これにより製造工程が簡素化され、環境負荷の軽減につながっています。
アルミケースの特徴としては、上からカパッと蓋をするような仕様になっています。従来のケースのように蝶番で開くのではなく、上から被せるタイプとなり、開封時の感覚も大きく変わりました。SNSでは「パカッ!というより、擬音するならば”スッー…”って感じ」と表現されているほど、従来とは異なる開封体験を提供しています。
フェルト部分は柔らかく、ジュエリーをしっかりと保護する役割を果たしています。色は鮮やかな緑色で、その様子は「芝生みたい」とも評されています。このフェルトは取り外し可能な部分とそうでない部分があり、ピアスケースの場合は一番上のピアス留めの部分のフェルトのみ取り外せる仕様となっています。
デザイン面では、非常にシンプルでありながら、アルミ部分の上部に石畳のようなデザインが施されていることも特徴です。これは単なる装飾ではなく、ジュエリーフォトスポットとしての機能も意図されているとのこと。ミニマルながらも使い勝手や機能性を考慮した設計になっています。
従来の白いケースとアルミケースの違いは素材だけでなく開封体験にも及ぶ
従来のブシュロンのジュエリーケースと新しいアルミケースには、素材の違いだけでなく、開封体験や使用感においても大きな違いがあります。まず、旧型ケースは外箱が紙製、内箱が合皮とサテンでできており、淡いホワイトとグレージュのカラーに、縁取りがゴールド、青いボタンという華やかで高級感のあるデザインでした。
対して新型ケースは、外箱がなく布製の巾着、内箱がアルミとフェルトという素材構成で、シルバーとグリーンというモダンな色合いが特徴です。この変化により、開封時の印象や体験が大きく異なります。
旧型ケースは、蝶番のついたケースで「パカッ!」と開ける重厚感や高揚感がありました。特にプロポーズなどの特別な瞬間には、この開封体験が重要な要素となっていたようです。一方、新型アルミケースは上から蓋をとる形式で、「スッー…」という静かな開封感になります。
また、保証書も大きく変わっています。旧型は紙の保証書に合皮のカバーがついた重厚なものでしたが、新型はなんと封筒と厚紙1枚という、非常にシンプルなものになりました。場所を取らずに保管できるというメリットはあるものの、「簡素すぎて捨ててしまいそう」という声もあります。
特に旧型ケースは劣化しやすく、黄ばんだり合皮が張り付いて破れてしまったりするという問題があったため、耐久性という点では新型アルミケースの方が優れているとも言えるでしょう。しかし、「高級感」や「特別感」という点では、従来の白いケースを支持する声も少なくありません。
ブシュロンのアルミケースのデザインにはヴァンドーム広場の要素が取り入れられている

ブシュロンの新しいアルミケースは、単なる機能性だけでなく、メゾンの歴史を反映したデザイン要素も取り入れられています。特にケースのフォルムや刻まれたパターンには、パリのヴァンドーム広場を上から見た八角形のフォルムが採用されています。
ヴァンドーム広場は、ブシュロンにとって特別な場所です。1893年、ブシュロンはハイジュエラーとして初めてこの広場にブティックを構えました。太陽王ルイ14世の栄光を称えるために敷設されたこの広場は、現在も高級ジュエリーブランドが集まる象徴的な場所となっています。
アルミケースのデザインには、このヴァンドーム広場本店内にある「ジャルダン ディヴェール(冬の庭園)」の建築様式も反映されています。「ジャルダン ディヴェール」はブシュロンが自然を大切にしているという価値観を体現する空間で、2023年9月にリニューアルオープンした銀座本店にもこのコンセプトが取り入れられています。
アルミケースの蓋の上部に施された石畳のようなデザインも、ヴァンドーム広場の石畳をイメージしているとも考えられます。このように、一見シンプルに見えるアルミケースにも、ブシュロンの歴史や価値観が繊細に織り込まれているのです。
CEOのエレーヌ・プリ=デュケンは「このオブジェのような美しいパッケージをコレクションしていただけたらうれしい」と語っています。確かに、ブランドの歴史を反映したデザイン性の高いこのケースは、使い捨てるものではなく、長く大切に使い続けるアイテムとしての価値を持っています。
アルミケースには路面店限定の金具付き巾着などの特別仕様も存在する
ブシュロンの新しいアルミケースには、いくつかのバリエーションが存在します。特に注目すべきは、路面店購入限定の特別仕様です。通常のケースに付属する巾着袋とは異なり、路面店で購入すると金具付きの特別な巾着袋が付いてきます。
この金具には、ブシュロンらしい可愛い刻印が施されており、より高級感のある仕上がりとなっています。金具付き巾着は、オンラインショップや百貨店などではなく、ブシュロンの直営路面店でジュエリーを購入した場合にのみ提供される特別なアイテムです。
また、ケースのサイズや形状もジュエリーの種類によって異なります。例えば、ピアス用、リング用、ネックレス用など、7種類のバリエーションがあります。従来は12種類あったケースを7種類に集約することで、生産効率を上げると同時に、在庫管理の簡素化も図っているようです。
さらに、CEOのエレーヌ・プリ=デュケンによれば、現在はハイジュエリー向けの別パッケージも開発中とのこと。サステナビリティを担保しながらも、より「プレシャス」な印象のケースを準備しているそうです。これは特に高額なハイジュエリーを購入するユーザーのためのスペシャルな仕様になると期待されています。
このように、基本コンセプトは同じでありながらも、購入場所や商品カテゴリによって微妙に異なる特別仕様が存在することも、ブシュロンのアルミケースの特徴の一つです。特別感を求める方は、路面店での購入を検討してみるのも良いかもしれません。

ブシュロンのアルミケースに関する評判と今後の展望
- ブシュロンのアルミケースの評判は「斬新」と「物足りない」で意見が分かれている
- ブシュロンのアルミケースはブライダル向けよりも日常使いのジュエリー向きという声が多い
- アルミケースになったことで買取相場にも影響があり現状は新型の方が評価が高い
- ブシュロンのケースをカルティエなど他ブランドと比較すると独自路線を取っている
- ブシュロンのアルミケースはリユースやリサイクルを前提とした先進的な取り組み
- ブシュロンCEOが語るアルミケースの今後と環境への取り組み
- まとめ:ブシュロンのケースがアルミに変わったことで生まれた新たなジュエリー体験の価値
ブシュロンのアルミケースの評判は「斬新」と「物足りない」で意見が分かれている

ブシュロンの新しいアルミケースに対する評判は、「斬新で良い」という肯定的な意見と「物足りない」という否定的な意見で大きく分かれています。SNSなどでは「スタイリッシュ弁当箱」「昔の灰皿」「ゴルフ場の芝」などの様々な表現で言及されており、その印象は人によって大きく異なるようです。
肯定的な意見としては、環境に配慮した取り組みを評価する声が多いです。また、旧型ケースは劣化しやすく黄ばみや破れが生じることがあったため、より耐久性の高いアルミケースを歓迎する声もあります。さらに、アルミケースの蓋の上部が石畳のようなデザインになっているため、ジュエリーフォトスポットとして使える点も魅力的だという意見もあります。
一方で否定的な意見としては、「高級感が足りない」「ブランドのステータスを感じられない」という声が目立ちます。特にフェルト部分については「ポソポソしていて安っぽい」という印象を持つ人も少なくないようです。長年ブランドジュエリーを購入してきた層からは、「従来のあの華やかさはどこへ行ったのか」という戸惑いの声も聞かれます。
また、ジュエリーを購入する体験における「パッケージの開封」という要素を重視する人にとっては、従来の「パカッ」という開け方から「スッー」という開け方への変化が物足りなく感じられるようです。特に、記念日やプロポーズなどの特別な瞬間には、パッケージの開封体験も含めた「特別感」を求める傾向があります。
このように、新しいアルミケースの評価は、環境への配慮と高級感・特別感のバランスをどう考えるかによって大きく分かれるようです。どちらが「正しい」というわけではなく、個人の価値観や購入目的によって適切な評価は異なると言えるでしょう。
ブシュロンのアルミケースはブライダル向けよりも日常使いのジュエリー向きという声が多い

ブシュロンの新しいアルミケースについて、特に注目すべき意見として「ブライダル用途には向いていない」という声が多く見られます。多くの人が、結婚や婚約といった人生の重要な節目には、従来の華やかで重厚感のあるケースの方が適しているのではないかと考えているようです。
特にプロポーズのシーンを想像すると、その違いは顕著です。従来の蝶番付きのケースであれば、大切な瞬間に「パカッ!」と開けるドラマチックな演出が可能でした。しかし新型アルミケースでは、上からカバーを取る「スッー…」という静かな開け方になります。この違いは、特別な瞬間の演出を重視する人にとっては大きな問題と感じられるようです。
ブシュロンの従来のケースは、淡いホワイトとゴールドの組み合わせが絶妙で、ブライダルのイメージとピッタリだったという意見も多く見られます。「プロポーズの時は蝶番のついたケースで、重厚なリングケースをパカッ!としてほしい」というのは、多くの女性の夢だとも言われています。
一方で、日常使いのジュエリーについては、機能性や保管のしやすさを考えると、むしろアルミケースの方が適しているという意見もあります。コンパクトで丈夫なアルミケースは、頻繁に使用するジュエリーの保管には理想的かもしれません。
SNS上では「私用なら新ケース大アリ!ブライダルでいただくなら旧型の方がいいかな?」という意見が多く見られます。このような声を踏まえると、ブシュロンが商品カテゴリによってケースを使い分ける(特にブライダルラインには従来タイプのケースを残す)という選択肢もあり得たのではないか、という指摘もあります。
アルミケースになったことで買取相場にも影響があり現状は新型の方が評価が高い

ブシュロンのジュエリーケースが変更されたことで、買取市場にも興味深い影響が出ています。2024年現在、買取業者によると新型のアルミケースと旧型の白いケースとでは、単純なケース自体の評価は大きく変わらないものの、購入時期による評価の違いが見られるようです。
ケースの変更があったのが2024年の頭頃であるため、新型アルミケースのジュエリーは比較的最近購入されたものだと判断されます。そのため、「新型ケース=購入時期が最近」ということで、買取時にはプラス評価になることが多いとのことです。
また、保証書の変更も買取価格に影響を与える可能性があります。従来の保証書は紙の保証書に合皮のカバーがついた重厚なものでしたが、新型はなんと封筒と厚紙1枚というシンプルなものに変更されました。これは「超・サスティナブル」とも評されていますが、「簡素すぎて捨ててしまいそう」という懸念も聞かれます。
保証書の有無は買取金額に大きく影響するため、どちらのタイプであっても捨てずに保管しておくことが重要です。特に新型の簡素な保証書は、誤って処分してしまうリスクもあるため、注意が必要です。
ただし、これらの評価はあくまで2024年現在のものであり、今後時間が経過するにつれて、ケースの新旧による買取価格への影響も変化していく可能性があります。特に旧型ケースが希少になるにつれて、コレクター的価値が生まれる可能性も考えられるでしょう。いずれにせよ、ジュエリーとケース、保証書はセットで大切に保管することが、将来的な資産価値を守るためには重要です。
ブシュロンのケースをカルティエなど他ブランドと比較すると独自路線を取っている
ブシュロンのアルミケースへの変更は、他の高級ジュエリーブランドと比較しても非常に独自の路線と言えます。カルティエやヴァン クリーフ&アーペルなどの競合ブランドは、今でも伝統的な豪華なケースを使用しており、ブシュロンのようなサステナビリティを前面に出した大胆な変更は行っていません。
例えばカルティエは、赤い化粧箱に金のロゴが入った伝統的なデザインを長年維持しており、その高級感や特別感はブランドイメージの一部として確立されています。カルティエとブシュロンのどちらを選ぶかという選択において、ケースのデザインや質感は一つの判断材料になる可能性もあります。
ブシュロンはもともと、キャトルやセルパンボエムなど、他ブランドにはないエッジの効いたデザインでジュエリー自体も独自路線を貫いてきました。最低価格帯も他ブランドより高めの設定で、「なかなか玄人向けのブランド」と評されることもあります。そのようなブランドポジショニングからすると、ケースのデザインも革新的なものを採用するという選択は、ある意味一貫していると言えるかもしれません。
また、CEOのエレーヌ・プリ=デュケンは「ブシュロンのヘリテージであるイノベーティブな探求を継承していく」と語っており、創業者のフレデリック・ブシュロンの時代から革新を追求してきたブランドDNAに忠実であることを強調しています。この観点からすると、アルミケースへの変更も、単なる環境対応ではなく、ブランドの革新精神の表れと見ることもできるでしょう。
このように、ブシュロンのアルミケースは業界内でも特異な存在であり、他ブランドとの差別化要素となっています。今後、他のブランドがこの流れに追随するのか、それとも従来の豪華なケースを維持し続けるのか、業界の動向も注目されます。
ブシュロンのアルミケースはリユースやリサイクルを前提とした先進的な取り組み

ブシュロンの新しいアルミケースの特徴として、単なる「ジュエリーを入れる容器」としてだけでなく、リユースやリサイクルを前提とした設計になっている点が挙げられます。CEOのエレーヌ・プリ=デュケンは、このケースを「オブジェのような美しいパッケージ」と表現し、コレクションとして集めて長く使い続けることを推奨しています。
具体的には、使わなくなったジュエリーケースを捨てるのではなく、バスルームではコットンを入れたり、リビングルームではキャンディを入れたり、メイク用品や筆などの画材を入れたりするなど、様々な形でリユースすることを提案しています。アルミとフェルトという素材は丈夫で長持ちするため、このような二次利用にも適しています。
また、最終的に不要になった場合でも、アルミとウールフェルトという素材はどちらもリサイクル可能です。特に接着剤を使用していない設計となっているため、素材ごとに分別しやすく、より効率的なリサイクルが可能になっています。
このように、「使い捨て」ではなく「長く使い続ける」ことを前提とした設計は、サステナビリティの観点からも先進的な取り組みと言えるでしょう。従来の豪華で美しいけれど使い道が限られていたジュエリーケースとは異なり、より実用的で環境に優しい選択として評価できます。
ただし、このようなコンセプトが消費者にどこまで受け入れられるかは、まだ未知数の部分もあります。特に高級ジュエリーを購入する層は、伝統や格式を重視する傾向もあるため、このような革新的な変化に対しては賛否両論となるのは必然とも言えるでしょう。ブシュロンのこの挑戦が、今後のラグジュアリー業界全体のサステナビリティへの取り組みにどのような影響を与えるか、注目されます。
ブシュロンCEOが語るアルミケースの今後と環境への取り組み
ブシュロンのCEOであるエレーヌ・プリ=デュケンは、アルミケースの導入について様々な場面で積極的に語っています。彼女によれば、このケース変更はブシュロンの環境に対する取り組みの一環であり、ジュエリー業界全体にも影響を与えることを期待しているとのことです。
プリ=デュケンCEOは2015年に就任して以来、特に直近5年間はサステナビリティへの取り組みを強力に推進してきました。彼女によれば、ジュエリー制作において環境に影響を与えている原因の7割が原材料に関係しているというデータに基づき、まず原材料から取り組みを始めたそうです。
2020年には、ブシュロンで使用するゴールドを完全にエシカルでサステナブルなものに切り替えるという目標を達成。2022年にはダイヤモンドについての具体的な取り組みをローンチし、徹底したトレーサビリティを実現しています。アルミケースへの変更は、こうした一連のサステナビリティ施策の延長線上にあるものです。
現在、アルミケースを採用しているのは、ヴァンドーム広場本店を除くと銀座本店のみですが、今後他の店舗でも展開していく予定だとのこと。また、ハイジュエリー向けには別のパッケージの準備も進めているそうです。サステナビリティは担保したままで、よりプレシャスな印象のケースを開発中とのことです。
さらに、プリ=デュケンCEOは「このブシュロンのリニューアルを機に、他のブランドでも動きがあるかもしれません」と語っており、業界全体への波及効果も視野に入れていることがうかがえます。彼女のビジョンは「環境への配慮」と「ラグジュアリー体験」を両立させることであり、アルミケースはそのための第一歩と位置づけられているようです。

まとめ:ブシュロンのケースがアルミに変わったことで生まれた新たなジュエリー体験の価値
最後に記事のポイントをまとめます。
- ブシュロンは2024年頭から従来の白い化粧箱からアルミとフェルトのサステナブルなケースへと変更した
- 新ケースは「No Pack is the New Pack」というコンセプトに基づく環境配慮型の設計である
- アルミケースの特徴は再生可能なアルミとウールフェルトのみを使用し接着剤は不使用という点
- 従来12種類あったケースは7種類に削減され使用素材も11種類から2種類へと大幅削減された
- 新型ケースは上からカパッと蓋をする仕様で従来の「パカッ」と開く体験から「スッー」という体験に変化した
- デザインにはヴァンドーム広場の八角形のフォルムが採用されブシュロンの歴史を反映している
- 路面店限定で金具付きの特別な巾着袋が付属するなど購入場所による特典も存在する
- 新型ケースの評判は「斬新で良い」と「物足りない」で意見が大きく分かれている
- 特にブライダル用途では従来の華やかで重厚感のあるケースを好む声が多い
- 買取市場では現状新型ケースの方が「最近購入した」という評価でプラスになることが多い
- 保証書も簡素化されており保管には特に注意が必要である
- リユースやリサイクルを前提とした設計で「使い捨て」ではなく「長く使い続ける」ことが推奨されている
- ブシュロンCEOは今後他店舗への展開やハイジュエリー向けのよりプレシャスなケースの開発も進めている