フランスの名門ジュエラー「ブシュロン」のアニマルコレクションの中でも特に人気を集める「ウラジミール」。この猫モチーフのジュエリーコレクションは、単なるアクセサリーを超えた芸術作品として世界中の富裕層から熱い視線を集めています。メゾンの創業家3代目ジェラール・ブシュロンの愛猫にちなんで名付けられたこのコレクションは、卓越した職人技と最高級の素材で作られています。
ウラジミールコレクションには、ダイヤモンドをふんだんに使用したリングをはじめ、ペンダント、ネックレス、イヤリングなど様々なアイテムがラインナップ。価格は800万円から2500万円と非常に高額ですが、その芸術性と希少価値から多くの愛好家を魅了し続けています。今回は、このブシュロンウラジミールについて、その魅力と歴史、そして実際の製品情報を詳しく解説していきます。
記事のポイント!
- ブシュロンウラジミールコレクションの由来と歴史的背景
- ウラジミールジュエリーの種類と特徴的なデザイン要素
- 素材や価格帯など、製品に関する具体的な情報
- ブシュロンの他のアニマルコレクションとの比較と魅力
ブシュロンのウラジミールコレクションとは:由来と魅力
- ウラジミールコレクションの誕生背景は猫への愛にある
- ブシュロンウラジミールの特徴はダイヤモンドと宝石の職人技にある
- ウラジミールリングの種類は中型から特大サイズまで豊富
- ブシュロンウラジミールの値段帯は800万円から2500万円程度
- ウラジミールジュエリーに使われている素材はダイヤモンドとカラーストーン
- ブシュロンのアンバサダーであるアレクサ・チャンもウラジミールを愛用している
ウラジミールコレクションの誕生背景は猫への愛にある
ブシュロンのウラジミールコレクションは、メゾンの歴史に深く根ざした物語から生まれました。このコレクションの名前の由来となったウラジミールは、ブシュロン創業家3代目ジェラール・ブシュロンが飼っていた実在の猫です。かつてパリのヴァンドーム広場に構える本店ブティックで、訪れる顧客たちを出迎えていたこの猫は、「幸運を招く猫」として多くの人々から愛されていました。
ウラジミールは単なるペットではなく、ブティックの「顔」として重要な存在でした。上質なジュエリーを身に着け、高級感と親しみやすさを兼ね備えた姿は、ブシュロンのブランド哲学を体現していたとも言えるでしょう。そんな特別な猫への敬意を込めて、メゾンは最高級のジュエリーコレクションとして「ウラジミール」を誕生させました。
現代においても、ブシュロンはこの伝説的な猫の魅力を受け継ぐジュエリーを展開しています。実際、2021年8月30日には新たなウラジミールコレクションが発売され、猫好きの富裕層の間で大きな話題となりました。猫のしなやかな動きや表情、毛並みの美しさを緻密な職人技で表現したジュエリーは、単なるアクセサリーを超えた芸術品として高く評価されています。
ウラジミールコレクションの特徴は、ただ猫の形をしているというだけではありません。細部にまでこだわり抜いた作りは、まるで本物の猫が目の前にいるような錯覚すら覚えるほど。特に瞳の表現は秀逸で、ブラックサファイアやツァボライトを使って、生き生きとした猫の表情を見事に捉えています。
さらに、ウラジミールジュエリーはそれ自体がストーリーを持っています。多くの作品では、ウラジミール自身もダイヤモンドやツァボライトのネックレスを身に着けている姿で表現されており、「ジュエリーを纏うジュエリー」という遊び心あふれるデザインが施されています。この独創的な発想こそが、ブシュロンのクリエイティブな世界観を象徴していると言えるでしょう。
ブシュロンウラジミールの特徴はダイヤモンドと宝石の職人技にある
ブシュロンウラジミールコレクションの最大の特徴は、卓越した職人技と贅沢な素材使いにあります。1つ1つのジュエリーには、何百個ものダイヤモンドや宝石が緻密に配置され、まるで本物の猫のように生命感あふれる表現が実現されています。例えば、ウラジミールリングのミディアムサイズには約600個ものラウンドカットダイヤモンド(合計4.18カラット)が使用されており、その圧倒的な輝きは見る者を魅了します。
特に目を引くのは、猫の表情や仕草の表現の巧みさです。ブラックサファイアで表現された瞳は深みがあり、まるで見つめられているような錯覚を覚えます。また、ツァボライトやグリーンアゲートを使った緑色の瞳は、神秘的な輝きを放ち、見る角度によって表情が変わるよう計算されています。これらの細部へのこだわりは、ブシュロンの宝飾職人の技術の高さを如実に物語っています。
さらに、ウラジミールの毛並みの表現も特筆すべき点です。ダイヤモンドの配置や大きさを微妙に変えることで、猫の柔らかな毛並みの質感を見事に再現しています。イエローゴールドやホワイトゴールドの土台に、シャンパンダイヤモンドや通常のダイヤモンドを組み合わせることで、立体感と動きのある毛並みの表現に成功しています。またピンクラッカーやブラックラッカーなどの技法も駆使して、より繊細な色の表現も実現しています。
ウラジミールが身に着けているネックレスの表現も見逃せないポイントです。ペアシェイプのツァボライトやラウンドカットのツァボライトを使用したこのネックレスは、ジュエリーそのものがジュエリーを身に着けるという遊び心あるデザインになっています。この「メタ」な発想は、ブシュロンのクリエイティブな世界観を象徴していると言えるでしょう。
ブシュロンウラジミールの魅力は、遠くから見たときの華やかさだけでなく、近くで見たときに発見できる細部の美しさにもあります。鼻や口元の繊細な彫刻、ヒゲの表現、耳の立ち上がりなど、猫の特徴を余すところなく表現しているのです。このような細部へのこだわりは、何世代にもわたって受け継がれてきたブシュロンの職人技あってこそ実現できるものと言えるでしょう。
ウラジミールリングの種類は中型から特大サイズまで豊富
ブシュロンのウラジミールコレクションには、様々なサイズとデザインのリングがラインナップされています。最も代表的なのは「ウラジミールリング ミディアム」で、指に自然に馴染むサイズながらも存在感のある華やかさを持ち合わせています。このミディアムサイズのリングには、約600個のラウンドカットダイヤモンド(合計4.18カラット)が使用されており、価格は約864万円と高級ラインに位置しています。
さらに大きなサイズを求める方には「ウラジミールリング エクストララージ」が用意されています。こちらはより豪華で迫力のあるデザインで、647個ものラウンドカットダイヤモンド(合計7.78カラット)に加え、ツァボライトやブラックサファイアなど様々な宝石が使用されています。価格は約1,848万円と、より希少性の高いアイテムとなっています。サイズ展開も48から67まで幅広く用意されており、男性が着用することも可能です。
また、イエローゴールドとホワイトゴールドを組み合わせた「ウラジミールリング」も人気モデルの一つです。こちらは532個のラウンドシャンパンダイヤモンド(計7.31カラット)と123個のラウンドダイヤモンド(計1.28カラット)が使用されており、温かみのあるイエローゴールドと冷涼なホワイトゴールドのコントラストが美しい一品です。価格は約1,359万円となっています。
さらに特別なデザインとして、2匹の猫がタンザナイトを抱きかかえる形の「ウラジミールリング」も存在します。こちらは12カラットものタンザナイトを中心に据えた、まさに芸術品と呼べるリングで、価格は約1,452万円です。インパクトのあるボリュームと複雑な構造が特徴的で、メゾンの代表作の一つとなっています。
これらのリングは、着用シーンを選ぶ豪華さがありますが、ブシュロンのクライアントたちの間では、日常使いのアイテムとしても愛用されています。特別な日のアクセントとしてはもちろん、自分へのご褒美や、大切な方への贈り物としても選ばれる逸品です。猫好きの富裕層にとっては、一生ものの宝物となるジュエリーと言えるでしょう。
ブシュロンウラジミールの値段帯は800万円から2500万円程度
ブシュロンのウラジミールコレクションは、ハイジュエリーに分類される高級ラインであり、その価格帯は非常に高額です。最もベーシックなアイテムでも数百万円からスタートし、コレクションの中核を成す作品は1000万円を超えるものがほとんどです。例えば、「ウラジミールリング ミディアム」は864万6000円、「ウラジミールリング エクストララージ」は1848万円という価格設定となっています。
ペンダントやネックレスのラインも同様に高額で、「ウラジミールペンダント」は454万800円、「ウラジミールペンダント」のイエローゴールドバージョンは291万7200円となっています。特に豪華なデザインの「ウラジミールネックレス」は、カルチャードパールを使用した二連のチョーカータイプで、価格は2402万4000円と最高額クラスです。このネックレスはブローチとしても使える2WAY仕様という点も魅力の一つです。
これほどの高額商品となる理由は、使用される素材と職人技にあります。ウラジミールコレクションには、数百個のダイヤモンドや高品質のカラーストーンが使用されており、それらを一つ一つ手作業でセッティングする技術は、長年にわたって磨かれた熟練の職人にしか不可能なものです。また、18Kホワイトゴールドや18Kイエローゴールドといった贅沢な素材も使用されています。
価格帯の高さは、ブシュロンというブランド自体の歴史と伝統、そして希少性にも起因しています。160年以上の歴史を持つフランスの名門ジュエラーとして、ブシュロンは世界中の王族や富裕層に愛されてきました。そのブランド価値と技術の粋を集めたウラジミールコレクションは、単なるアクセサリーを超えた「芸術品」「投資対象」としての側面も持ち合わせています。
これらの高額なジュエリーは、日本国内ではブシュロンの直営店や正規取扱店で購入することができます。2021年9月8日には銀座に本店もオープンし、様々なウラジミールコレクションを実際に見ることができるようになりました。また、オンラインショッピングも可能で、配送は専門の宅配業者によって厳重に行われます。購入後30日以内であれば返品も可能とのことですが、このクラスのジュエリーを購入する顧客は、多くの場合、事前に十分な検討を行ったうえで購入を決定するようです。
ウラジミールジュエリーに使われている素材はダイヤモンドとカラーストーン
ブシュロンのウラジミールコレクションには、世界最高クラスの素材が贅沢に使用されています。主な素材はダイヤモンドで、リングやペンダントには数百個ものダイヤモンドが緻密にセッティングされています。例えば、ウラジミールリング ミディアムには597個のラウンドカットダイヤモンド(合計4.18カラット)が使用されており、猫の毛並みや輪郭を美しく表現しています。
さらに特徴的なのは、カラーストーンの使用です。猫の瞳には、ツァボライトやブラックサファイアが使われており、生き生きとした表情を演出しています。ツァボライトは鮮やかな緑色が特徴的な高級ガーネットの一種で、ウラジミールが身に着けているネックレスの部分にも使用されています。一つのジュエリーには、ペアシェイプの大きなツァボライトと複数のラウンドカットツァボライトが組み合わされ、動きのある輝きを放っています。
ベースとなる金属は、18Kホワイトゴールドや18Kイエローゴールドが使用されています。これらの高純度の金は、変色や摩耗に強く、長期間美しさを保つことができる素材です。特にウラジミールリングの中には、イエローゴールドとホワイトゴールドを組み合わせたデザインもあり、温かみと洗練さを同時に表現しています。
猫の目や鼻などの細部の表現には、マザーオブパール(真珠母貝)やクォーツなども使用されています。また、ラッカー技術も取り入れられており、ブラックラッカーやピンクラッカーで繊細な色合いを表現しています。これらの多様な素材を組み合わせることで、立体的で生命感あふれるジュエリーが完成しているのです。
これらの素材は全て、厳しい品質基準をクリアしたものだけが使用されています。ブシュロンのような高級ジュエラーでは、使用するダイヤモンドや宝石の選定から、金属の配合、最終的な磨き上げまで、あらゆる工程で妥協がありません。そのため、製品には「*カラット数や石数、貴金属の重量は参考値です。色石の色味は原材料によって多少の差異があります。」との注意書きがありますが、これは自然素材ならではのわずかな個体差を指すもので、品質自体は全ての製品で最高水準が保たれています。
ブシュロンのアンバサダーであるアレクサ・チャンもウラジミールを愛用している

ブシュロンのウラジミールコレクションは、セレブリティからの支持も厚く、特にブランドアンバサダーであるアレクサ・チャンの愛用が有名です。ファッションアイコンとして知られるアレクサは、カジュアルなTシャツスタイルにウラジミールのリングやネックレスを合わせるなど、ハイジュエリーをモダンに着こなすスタイリングで注目を集めています。
特に印象的なのは、アレクサが両手にウラジミールリングを装着するスタイルです。左右の手に異なるデザインのウラジミールリングを身につけることで、対称性を崩した遊び心のある着こなしを実現しています。こうした大胆なスタイリングは、ハイジュエリーのイメージを革新し、新しい楽しみ方を提案するものとして多くのファッション愛好家から支持されています。
アレクサ・チャンは、黒のシンプルなトップスにウラジミールネックレスを合わせた着こなしも披露しています。華やかなジュエリーを主役にしたミニマルなスタイリングは、ブシュロンの世界観を現代的に解釈したものとして高い評価を受けています。彼女のスタイリングは、「昼間は自分に寄り添うお守りとして、夜は野生動物のように自分を魅惑的に演出してくれる」という言葉とともに紹介されており、ジュエリーに対する彼女の深い理解を感じさせます。
ブシュロンがアレクサ・チャンをアンバサダーに起用したのは、彼女のスタイルとブランドの哲学が共鳴するためでしょう。伝統とモダニティ、エレガンスと遊び心、高級感と親しみやすさ—これらの一見相反する要素を自然に融合させる彼女の感性は、160年以上の歴史を持ちながらも革新を続けるブシュロンのアイデンティティと完璧に調和しています。
こうしたセレブリティとの協業は、ブシュロンウラジミールの世界観を広げる重要な要素となっています。アレクサ・チャンのような影響力のあるファッションアイコンの支持を得ることで、ブシュロンは新しい顧客層にもリーチしているのです。特に、従来のハイジュエリーの顧客層より若い世代や、より冒険的なスタイルを好む層に対して、ウラジミールコレクションの魅力を効果的に伝えることに成功しています。
ブシュロンウラジミール以外のアニマルコレクション
- アニマルコレクションの歴史は1866年から始まっている
- ブシュロンのナラ・ラ・ビッシュコレクションは鹿をモチーフにしている
- ファジー・レオパードキャットコレクションはベンガル猫をイメージしている
- エリソンコレクションはハリネズミがモチーフで幸運をもたらす
- ホピ・ル・コリブリコレクションはハチドリの美しさを表現している
- まとめ:ブシュロンウラジミールは猫の魅力を最高級の宝飾品で表現した芸術品
アニマルコレクションの歴史は1866年から始まっている
ブシュロンのアニマルコレクションは、メゾンの歴史の中でも特筆すべき重要なコレクションです。その始まりは創業からわずか間もない1866年にさかのぼり、150年以上にわたって愛され続けているブシュロンの代名詞とも言えるコレクションです。創業者フレデリック・ブシュロンの時代から、動物の生命力や美しさを宝飾品に取り入れるという革新的な発想は、メゾンのDNAとして受け継がれてきました。
アニマルコレクションの特徴は、単に動物の形をしたジュエリーを作るのではなく、それぞれの動物の個性や魅力を深く理解し、貴金属や宝石を通じて表現する点にあります。ブシュロンのアトリエに所属する職人たちは、動物の解剖学的特徴や動きを徹底的に研究し、それを宝飾技術によって再現するという芸術的なアプローチを取っています。
時代とともにアニマルコレクションは進化を続け、新しい技術や素材が取り入れられてきました。19世紀には金細工の技術を駆使した作品が中心でしたが、20世紀に入るとダイヤモンドやカラーストーンを積極的に取り入れた、より華やかなデザインが登場しました。そして現代では、3Dモデリング技術や革新的なセッティング技術を活用することで、さらに精緻で生命感あふれる表現が可能になっています。
ブシュロンのアニマルコレクションは、メゾンの創造性とサヴォワール・フェール(職人技)を象徴するものとして、世界中のジュエリーコレクターから高く評価されています。特に注目すべきは、単なる装飾品を超えた芸術作品としての価値を持つという点です。多くの作品は、着ける人の個性やライフスタイルに寄り添うだけでなく、それ自体が物語を持つ「キャラクター」として存在感を放っています。
アニマルコレクションの中でも、ウラジミールをはじめとする猫のジュエリーは特に人気が高いですが、鹿、ハリネズミ、ハチドリ、ベンガル猫など、様々な動物をモチーフにした作品が展開されています。これらのコレクションは単独で存在するのではなく、ブシュロンの世界観の中で互いに関連し合い、豊かなストーリーテリングを紡ぎ出しているのです。
ブシュロンのナラ・ラ・ビッシュコレクションは鹿をモチーフにしている
ブシュロンのアニマルコレクションの中でも優美さと気品を象徴するのが「ナラ・ラ・ビッシュ」コレクションです。フランス語で「ラ・ビッシュ(La Biche)」とは「雌鹿」を意味し、その名の通り、繊細で優雅な雌鹿をモチーフにしたジュエリーシリーズです。ナラ・ラ・ビッシュのジュエリーは、鹿特有の穏やかさと気高さを見事に表現しており、着ける人に上品な印象をもたらします。
ナラ・ラ・ビッシュリングは、18Kイエローゴールドで作られた鹿の顔がモチーフとなっています。特徴的なのは、ダイヤモンドで表現された優美なまつ毛と、ブラックサファイアで表された野性的で力強い眼差しです。この対比が、鹿の持つ穏やかさと気高さの両面を表現しており、見る角度によって異なる表情を見せる工夫がなされています。価格は約147万8400円と、ウラジミールコレクションと比較するとやや手の届きやすい価格帯となっています。
特に豪華なモデルには「ナラ ラ ビッシュ リング」の大型バージョンがあり、こちらは価格が約1993万2000円と高額です。ダイヤモンドをふんだんに使用したこのリングは、限られた富裕層向けの特別なピースとなっています。鹿の繊細な毛並みや表情が精巧に表現され、まさに宝飾技術の粋を集めた芸術品と言えるでしょう。
ナラ・ラ・ビッシュコレクションの魅力は、その象徴性にもあります。西洋の文化や神話において、鹿は優雅さ、気高さ、そして再生と変容の象徴とされてきました。ブシュロンはこうした文化的背景を踏まえつつ、現代的な解釈を加えることで、伝統と革新が融合したジュエリーに仕上げています。
ブシュロンのウラジミールコレクションが猫の自由奔放さや神秘性を表現しているのに対し、ナラ・ラ・ビッシュは優美さと内なる強さを象徴しています。このように、ブシュロンのアニマルコレクションは、それぞれの動物の持つ特性を深く掘り下げ、独自の世界観を創り出しているのです。装飾品としての美しさだけでなく、着ける人の個性や感性に響くストーリー性を持つことが、ブシュロンジュエリーの大きな魅力と言えるでしょう。
ファジー・レオパードキャットコレクションはベンガル猫をイメージしている
ブシュロンのアニマルコレクションには、ウラジミール以外にも猫をモチーフにしたシリーズがあります。その一つが「ファジー・レオパードキャット」コレクションで、ベンガルキャットの美しさを表現したジュエリーシリーズです。ベンガルキャットの特徴的な斑点のある毛並みと野性的な魅力を、ピンクゴールドとダイヤモンドを使って繊細に表現しています。
ファジー・レオパードキャットコレクションの大きな特徴は、ピンクゴールドの温かみのある色合いとシャンパンダイヤモンドを組み合わせることで、ベンガル猫のふわふわとした毛並みの質感を見事に再現している点です。さらに、ブラックラッカーを用いて斑点を表現するなど、細部にまでこだわりが感じられます。猫の瞳にはエメラルドが使用され、鮮やかな緑色が印象的なアクセントとなっています。
ファジー・レオパードキャットのリングは、指に巻きつくような独特のデザインが特徴です。このデザインは、猫の柔軟性と自由な動きを表現したもので、着ける人の指にしなやかに馴染みます。小さめのサイズでも存在感があり、エレガントながらも遊び心を感じさせる一品です。価格は約475万2000円となっています。
また、ペンダントタイプもラインナップされており、こちらは約282万4800円で提供されています。首元で揺れるベンガル猫のチャームは、カジュアルな装いにも合わせやすく、日常使いできる高級ジュエリーとして人気です。イヤリングやピアスも展開されており、約289万800円でコーディネートを揃えることができます。
ファジー・レオパードキャットコレクションは、ベンガル猫特有の自立心とブシュロンのアトリエの大胆さを象徴していると言われています。実際、ベンガル猫は野性的な外見と愛らしい性格を併せ持つ猫種として知られており、そのバランスの取れた魅力はジュエリーにも反映されています。強さと柔らかさを同時に表現するこのコレクションは、自立した現代女性にぴったりの逸品と言えるでしょう。
エリソンコレクションはハリネズミがモチーフで幸運をもたらす

ブシュロンのアニマルコレクションの中で、特にユニークで愛らしいデザインが特徴的なのが「エリソン」コレクションです。エリソンはハリネズミをモチーフにしたシリーズで、フランスでは幸運をもたらすと言われている動物の魅力を宝飾品に昇華しています。丸みのあるボディと特徴的なトゲトゲを持つハリネズミは、ブシュロンの職人たちによって精巧なジュエリーとして再現されています。
エリソンコレクションの最大の特徴は、巧みなゴールド細工によるリアリティの高さです。特にトゲトゲを表現したゴールドの細工は、光を反射して美しく輝き、まるで本物のハリネズミのようです。このような複雑な技術は、長年の経験と卓越した技術を持つブシュロンの職人だからこそ可能になったものと言えるでしょう。
「エリソン リング スモール」は、ピンクゴールドをベースに、瞳にはルビー、細部にはブラックダイヤモンドが使用されています。価格は約72万500円と、ブシュロンのアニマルコレクションの中では比較的手に入れやすい価格帯となっています。一方、よりボリュームのある「エリソン リング ラージ」は約137万2800円で、より存在感のある仕上がりとなっています。
エリソンコレクションの魅力は、その可愛らしさだけでなく、着ける人に幸運をもたらすという意味合いも持っている点です。フランスの伝統では、ハリネズミは幸運と保護の象徴とされており、エリソンのジュエリーを身につけることで、そのご利益を授かれるとも言われています。このような文化的背景を持つジュエリーは、単なるアクセサリーを超えた意味を持ち、身につける人に特別な感情を抱かせます。
エリソンのリングは、その丸みのあるフォルムが指によく馴染み、日常使いしやすいデザインとなっています。カジュアルな装いにも、フォーマルな場面にも違和感なく合わせられるバランスの良さが、幅広い層から支持される理由の一つです。特に、動物モチーフのジュエリーが好きな方や、ユニークで個性的なアクセサリーを求める方にとって、エリソンは理想的な選択肢と言えるでしょう。また、幸運のお守りとしてプレゼントする方も多く、贈り物としても人気のアイテムです。
ホピ・ル・コリブリコレクションはハチドリの美しさを表現している
ブシュロンのアニマルコレクションの中でも、特に優美で繊細な表現が際立つのが「ホピ・ル・コリブリ」コレクションです。フランス語で「ル・コリブリ(Le Colibri)」とはハチドリを意味し、地球上で最も小さな鳥の一つであるハチドリの魅力を高級ジュエリーとして表現しています。ハチドリの際立った特徴である機敏さ、美しさ、そして花の蜜を吸う姿の優雅さが、卓越した宝飾技術によって見事に再現されています。
「ホピ ル コリブリ リング」は、特に印象的な作品の一つです。イエローゴールドとホワイトゴールドを組み合わせたベースに、ダイヤモンドをふんだんに使用し、ハチドリの羽や体の細かな部分まで緻密に表現しています。中央には大きなイエローベリルを配置し、ハチドリがこの宝石に口ばしを近づける様子をデザインしています。さらに、イエローサファイアやエメラルドなどのカラーストーンも使用されており、鮮やかな色彩が魅力的です。価格は約1168万2000円と、高級ラインに位置しています。
ホピ・ル・コリブリコレクションの特徴は、動きの表現にあります。静止したジュエリーでありながら、ハチドリが羽ばたき、飛び回る様子を感じさせるダイナミックなデザインは、ブシュロンの職人技の粋を集めたものと言えるでしょう。特に羽の部分のセッティングは、光の反射によって羽ばたきの動きを連想させる効果を生み出しています。
このコレクションにはシンボリックな意味も込められています。多くの文化において、ハチドリは喜び、愛、美、そして自由の象徴とされてきました。小さな体で長距離を移動する強さと、花から花へと飛び回る自由さは、人生における勇気と冒険の精神を象徴しています。ブシュロンはこうした文化的背景を踏まえつつ、現代的な解釈を加えることで、装飾品としてだけでなく、着ける人に前向きなエネルギーをもたらすジュエリーを創造しています。
ホピ・ル・コリブリコレクションは、色彩豊かな自然の美しさを称えるとともに、小さな生き物の中に宿る壮大な生命力を表現しています。このようなコンセプトは、ブシュロンのアニマルコレクション全体に通じるものであり、単なる動物の形をしたジュエリーを超えた、深い哲学とストーリーテリングがあることを示しています。そのため、このコレクションは単なるファッションアイテムではなく、自然への敬意と生命への賛美を身につける人が表現するための媒体となっているのです。
まとめ:ブシュロンウラジミールは猫の魅力を最高級の宝飾品で表現した芸術品
最後に記事のポイントをまとめます。
- ブシュロンウラジミールコレクションは、メゾンの創業家3代目ジェラール・ブシュロンの愛猫にちなんで名付けられた高級ジュエリーシリーズである
- ウラジミールは実在した猫で、かつてパリのヴァンドーム広場の本店ブティックで「幸運を招く猫」として顧客から愛されていた
- ウラジミールコレクションには、ダイヤモンドをふんだんに使用したリング、ペンダント、ネックレスなど様々なアイテムがラインナップされている
- ブシュロンウラジミールの価格帯は800万円から2500万円程度と非常に高額である
- ウラジミールリングには、ミディアム、エクストララージなど複数のサイズバリエーションが存在する
- 使用される素材は、ダイヤモンド、ツァボライト、ブラックサファイア、マザーオブパール、18Kゴールドなどの最高級素材である
- 猫の瞳にはブラックサファイアやツァボライトが使用され、生き生きとした表情を表現している
- ウラジミール自身もネックレスを身に着けているというメタな設計が特徴的である
- ブシュロンのアンバサダーであるアレクサ・チャンもウラジミールコレクションを愛用している
- ブシュロンのアニマルコレクションには、ウラジミール以外にも、ナラ・ラ・ビッシュ(鹿)、ファジー・レオパードキャット(ベンガル猫)、エリソン(ハリネズミ)、ホピ・ル・コリブリ(ハチドリ)などのシリーズがある
- アニマルコレクションは1866年から始まる長い歴史を持ち、ブシュロンを象徴するコレクションの一つである
- 日本では2021年9月8日に銀座本店がオープンし、ウラジミールコレクションを含む様々なジュエリーを実際に見ることができる
- ブシュロンのジュエリーは単なるアクセサリーではなく、芸術性と投資価値を兼ね備えた作品として評価されている
- 各アニマルコレクションには、それぞれの動物が持つ象徴性や文化的背景が取り入れられている