ファッションと伝統ジュエリーの垣根を越えた夢のコラボ、それが「ミキモト×コムデギャルソン」です。100年以上の歴史を持つ真珠の老舗ミキモトと、常識を覆す革新的なデザインで知られるコムデギャルソンが手を組み、パールジュエリーの新たな可能性を提案しました。このコラボレーションは2020年から2022年にかけて全3回のコレクションが発売され、それぞれに独自のコンセプトと斬新なデザインで多くの人々を魅了しています。

パールと言えば「女性らしさ」や「エレガンス」というイメージが強い中、このコラボレーションは男性モデルも起用し、ジェンダーレスに楽しめるパールジュエリーという新たな価値観を提示しました。ミキモトの高品質なパールにコムデギャルソンらしい反骨精神を象徴するデザイン要素を融合させ、伝統と革新が同居する唯一無二のジュエリーコレクションが誕生したのです。
記事のポイント!
- ミキモトとコムデギャルソンによる革新的なコラボレーションの全貌と歴史
- 3回にわたるコレクションそれぞれの特徴、デザイン、価格帯
- パールジュエリーのジェンダーレス化という新たな価値観の提案
- 購入方法や中古市場での価値など、実用的な情報
ミキモトとコムデギャルソンの革新的なコラボレーション
- ミキモトコムデギャルソンのコラボは2020年パリで発表された革新的なプロジェクト
- ミキモトコムデギャルソンの全3シリーズは異なるコンセプトで展開されている
- ミキモトコムデギャルソンの第一弾はシルバーチェーンがアクセントのパールネックレス
- ミキモトコムデギャルソンの第二弾はセーフティピンやスタッズをモチーフにした斬新なデザイン
- ミキモトコムデギャルソンの第三弾はブラックパールを採用した集大成的なコレクション
- ミキモトコムデギャルソンの価格帯は27万円から400万円までと幅広い
ミキモトコムデギャルソンのコラボは2020年パリで発表された革新的なプロジェクト
「ミキモト コム デ ギャルソン」というプロジェクトは、2020年1月22日にパリのヴァンドーム広場で華々しく発表されました。ミキモト社とコム デ ギャルソン社の共同プロジェクトとして、2年間の期間限定で展開されることが発表されました。
このコラボレーションのきっかけは、2019年6月に発表されたコム デ ギャルソン・オム プリュスの2020年春夏コレクションにさかのぼります。「オーランドー」をテーマにしたこのコレクションでは、男性モデルたちがパールのネックレスを身につけていました。これはヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』からインスピレーションを得たもので、400年を生き、男性から女性になるという物語に基づいています。
ヴァンドーム広場でのプレゼンテーションでは、7種類のネックレスが「ボディ」に掛けられて展示されていました。この「ボディ」とは、マネキン製作用の型(モウルド)で、男女の肉体をかたどったものでした。これはパールジュエリーがジェンダーを超えて誰もが楽しめるものであるという、このコラボレーションの理念を象徴していました。
従来、パールジュエリーは「女性らしさ」や「エレガンス」の象徴とされてきましたが、このコラボレーションは、そうした既成概念を打ち破り、パールの新たな可能性を提案しました。ミキモトの創業者・御木本幸吉が「世界中の女性を真珠で飾りたい」と願った夢に、川久保玲が新たな価値を加えたのです。
このプロジェクトは、ジュエリー業界だけでなく、ファッション業界でも大きな話題となりました。真珠という伝統的な素材を現代的かつ革新的に解釈したデザインは、多くの人々の心を掴みました。
ミキモトコムデギャルソンの全3シリーズは異なるコンセプトで展開されている
ミキモトコムデギャルソンのコラボレーションは、2020年から2022年にかけて全3回のコレクションが展開されました。それぞれのコレクションは異なるテーマとコンセプトを持ち、回を追うごとに両ブランドの融合が深まっていきました。
第一弾は2020年2月に発売され、白蝶真珠とあこや真珠の2種類の真珠を使用したネックレス7型が展開されました。白蝶真珠はオーストラリアやインドネシアで採れる直径9ミリ以上の大粒のもので、あこや真珠は小粒でまろやかな光沢が特徴の日本を代表する真珠です。価格帯は約27万円から360万円と幅広く設定されました。
第二弾は2021年3月に発売され、「セーフティピン」「スタッズ」「ファング」という3つのモチーフを取り入れたデザインとなりました。パールの温かい美しさと、これらのエッジの効いたモチーフを組み合わせることで、クラシックとパンクが共存するジェンダーレスな世界観を表現しました。こちらも全7型のネックレスが展開され、価格帯は約35万円から72万円でした。
第三弾は2022年4月に発売され、コムデギャルソンのブランドシンボルでもある「ブラック」と、ミキモトの「パール」の集大成として「ブラックパール」を採用しました。ブラックパールは、綺麗な丸みを帯びているものがホワイトパールに比べて非常に稀少であり、このシリーズは最もスペシャルなコレクションとなりました。ネックレス2型のみの展開で、価格帯は約85万円から150万円でした。
このように、3回のコレクションはそれぞれ異なる真珠の種類やデザインコンセプトを採用しながらも、パールジュエリーの新たな魅力を引き出すという共通のミッションを持っていました。
ミキモトコムデギャルソンの第一弾はシルバーチェーンがアクセントのパールネックレス

ミキモトコムデギャルソンの第一弾コレクションは、2020年2月に発売されました。このコレクションでは、真珠の一連ネックレスの中央に無骨なイメージのシルバーチェーンを取り付けたデザインや、コムデギャルソンのロゴ入りチェーン付きのもの、中央のみパールを二重に仕上げたもの、そしてプレーンな一連ネックレスなど、多彩なバリエーションが展開されました。
使用された真珠は、白蝶真珠とあこや真珠の2種類。白蝶真珠は大粒で存在感があり、あこや真珠は上品な光沢が特徴です。ミキモトの100年以上続く職人技によって、真珠の色や光沢を揃えたり、グラデーションで見せるといった伝統的な技術が施されています。
デザイン面では、伝統的なパールネックレスにコムデギャルソンらしいエッジの効いたシルバーチェーンを組み合わせることで、クラシックとモダンが融合した新しい美学を表現しています。これは単なるコラボレーションを超えて、パールジュエリーに新たな価値観をもたらす革新的な試みでした。
価格帯は幅広く、最も手頃なものでも約27万円から、高級なものだと約360万円するものまでありました。その価格差は使用される真珠の種類や大きさ、デザインの複雑さによるものです。特に白蝶真珠を使用したモデルは高価格帯に位置していました。
第一弾コレクションは発売と同時に大きな話題を呼び、多くのファッション誌やメディアで取り上げられました。伝統と革新が融合したデザインは、パールジュエリーの可能性を広げるとともに、ミキモトとコムデギャルソン両ブランドのファンに新たな選択肢を提供しました。
ミキモトコムデギャルソンの第二弾はセーフティピンやスタッズをモチーフにした斬新なデザイン
2021年3月に発売された第二弾コレクションは、「セーフティピン」「スタッズ」「ファング」という3つのモチーフを取り入れた、より大胆かつ挑戦的なデザインとなりました。温かく美しいパールと、これらのエッジの効いたモチーフの組み合わせは、一見すると対極にあるように思えるものの、不思議と調和し、新たな美学を生み出しています。
「セーフティピン」シリーズでは、パールの一連ネックレスに大きさの異なるセーフティーピン(安全ピン)モチーフのパーツをチャームのようにあしらったデザインが特徴です。全3型が展開され、最も高価なモデルでセーフティピンが4つ付いたものは66万円(税抜)、最もリーズナブルなモデルでセーフティピンが1つ付いたものは39万円(税抜)でした。
「スタッズ」シリーズは、真珠とシルバーチェーンを半周ずつ繋げ、スタッズパーツを配したデザインが特徴です。全2型が展開され、スタッズパーツが5つ付いたものは62万5千円(税抜)、3つ付いたものは34万円(税抜)でした。
「ファング」シリーズは、尖った牙をモチーフにしたファングパーツを取り入れたデザインが特徴です。こちらも全2型が展開され、ファングパーツが5つ付いたものは60万円(税抜)、3つ付いたものは32万5千円(税抜)でした。
いずれのネックレスも先端には、ミキモトとコムデギャルソンのダブルネームが刻印されたプレートが付属しており、このコラボレーションならではの特別感を演出しています。第二弾コレクションは、第一弾の好評を受けて、さらに両ブランドの個性を際立たせるデザインとなりました。
ミキモトコムデギャルソンの第三弾はブラックパールを採用した集大成的なコレクション
2022年4月に発表された第三弾コレクションは、このコラボレーションの集大成として位置づけられています。川久保玲が最終コレクションで選んだのは、コムデギャルソンのブランドシンボルである「ブラック」と、ミキモトの「パール」の完璧な融合である「ブラックパール」でした。
ブラックパールは、真珠の無垢な美しさと黒が持つ神秘的な強さの両方を体現する特別な真珠です。特に綺麗に丸みを帯びているブラックパールは、ホワイトパールに比べて非常に稀少であり、今までのシリーズの中でも最もスペシャルなコレクションとなりました。
このコレクションは、ネックレスのみ2型の展開で、価格はそれぞれ約85万円と150万円でした。デザインは、ブラックパールの一連ネックレスにシルバーチェーンを取り付けたものと、ブラックパールとシルバーチェーンを半周ずつ繋げたものの2種類です。
ブラックパールは、その名前の通り黒色を基調としていますが、実際には緑や紫、ブルーなどの深い色合いを持っています。光の加減によって様々な色味を見せるその神秘的な輝きは、身に着けるだけでラグジュアリーな雰囲気を醸し出します。
このコレクションは、3回にわたるコラボレーションの総仕上げとして、両ブランドのアイデンティティを最も強く表現したものとなりました。ミキモトの最高級の真珠技術と、コムデギャルソンの革新的なデザイン哲学が完璧に融合した、まさに集大成的な作品です。
ミキモトコムデギャルソンの価格帯は27万円から400万円までと幅広い
ミキモトコムデギャルソンのコラボレーションコレクションは、使用される真珠の種類や大きさ、デザインの複雑さによって価格帯が大きく異なります。全3回のコレクションを通じて、価格帯は約27万円から400万円までと非常に幅広く設定されています。
第一弾コレクションでは、最も手頃なものでアコヤ真珠を使用したシンプルなネックレスが約27万円(税抜)から、白蝶真珠を使用した高級モデルだと約360万円(税抜)というラインナップでした。特に白蝶真珠の大粒のものを使用したRG-1521NSモデルは363万円(税抜)と、このコラボレーション全体でも最高価格帯に位置しています。
第二弾コレクションは比較的リーズナブルな価格設定で、最も手頃なアコヤ真珠にファングパーツ3つを組み合わせたネックレスが32万5千円(税抜)から、最も高価なアコヤ真珠にセーフティピンパーツ4つを組み合わせたモデルで66万円(税抜)という価格帯でした。
第三弾コレクションでは、ブラックパールの希少性を反映して、2型のみの展開ながら価格は高めに設定されていました。ブラックパールとシルバーチェーンを組み合わせたシンプルなデザインのRG-1563YSモデルが85万8千円(税抜)、よりチェーンの割合が多いRG-1559YSモデルが154万円(税抜)でした。
なお、これらの価格は発売当時のものであり、2023年2月13日に価格改定があったことが情報源から確認できます。改定後は一部のモデルで価格が上昇しており、例えば第一弾コレクションのWG-1641FZモデルは72万6千円(税込)から88万円(税込)に値上げされています。
このような幅広い価格帯は、様々な購買層に対応するとともに、コレクターズアイテムとしての価値も高めています。しかし、いずれのモデルも高品質な真珠とデザインの革新性を考えると、そのプレミアム価格には十分な価値があると言えるでしょう。

ミキモトコムデギャルソンの革新性とその魅力
- ミキモトコムデギャルソンはパールジュエリーのジェンダーレス化を実現したコラボ
- ミキモトコムデギャルソンの購入できる店舗は限られており希少性が高い
- ミキモトコムデギャルソンは中古市場でも人気で高値で取引されている
- ミキモトコムデギャルソンのデザインはコムデギャルソンの反骨精神とミキモトの伝統的美しさの融合
- ミキモトコムデギャルソンのジュエリーに合わせるスタイリングのポイント
- ミキモトコムデギャルソンの類似品やコピー商品に注意が必要
- まとめ:ミキモトコムデギャルソンは真珠の新たな価値を世界に提案した革新的なコラボ
ミキモトコムデギャルソンはパールジュエリーのジェンダーレス化を実現したコラボ
ミキモトコムデギャルソンのコラボレーションの最も革新的な側面の一つが、パールジュエリーのジェンダーレス化です。伝統的に、パールは「女性らしさ」や「エレガンス」の象徴とされ、主に女性向けのジュエリーとして認識されてきました。しかし、このコラボレーションは、そうした既成概念を打ち破り、パールを性別を問わず誰もが楽しめるジュエリーとして提案しました。
このコラボレーションのきっかけとなったのは、2019年のコム デ ギャルソン・オム プリュスのコレクションでした。「オーランドー」をテーマにしたこのコレクションでは、男性モデルたちがパールのネックレスを身につけていました。これはヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』からインスピレーションを得たもので、ジェンダーの流動性や変容をテーマにしています。
コラボレーションのプレゼンテーションでも、男女両方の肉体をかたどった「ボディ」にネックレスを展示することで、パールジュエリーがジェンダーを超えて誰もが楽しめるものであるという理念を視覚的に表現しました。広告やビジュアルにも男性モデルを起用し、「パールは女性だけのものではない」というメッセージを強く打ち出しています。
このアプローチは、コムデギャルソンの50年の歴史と一貫しています。ブランド名自体が「男の子のように」という意味を持ち、常に既成のジェンダーや美学や服の常識を超えた挑戦を続けてきました。男装的な女性服はもちろん、男性のスカート姿にリアリティを与えたのもコムデギャルソンです。
このコラボレーションによって、パールジュエリーは単なる装飾品から、ファッションの一部として、自己表現の手段として、そしてジェンダーの境界を越えたアイテムとして再定義されました。これは、ミキモトの創業者・御木本幸吉の「世界中の女性を真珠で飾りたい」という夢を、川久保玲が21世紀の価値観で拡張したと言えるでしょう。
ミキモトコムデギャルソンの購入できる店舗は限られており希少性が高い
ミキモトコムデギャルソンのコラボレーションアイテムは、その特別なコンセプトと限定的な生産数から、購入できる店舗も限られています。この希少性が、コレクションの価値をさらに高めている要因の一つです。
調査によると、これらのコラボレーションアイテムを取り扱っている店舗は主に以下の場所です:
- ミキモトの主要店舗:
- 銀座4丁目本店(東京)
- 銀座2丁目店(東京)
- 横浜ランドマーク店
- 大阪梅田店
- 大阪心斎橋店
- パリ店
- ロンドン店
- ニューヨーク店
- コスタメサ店(米国)
- ラスベガス店(米国)
- ビバリーヒルズ店(米国)
- 香港店(リーガーデンズ店、ifc店)
- 台北101店
- マリーナベイサンズ店(シンガポール)
- コムデギャルソンの店舗:
- 青山店(東京)
- 丸の内店(東京)
- 京都店
- 大阪店
- 福岡店
- パリ店
- ニューヨーク店
- ドーバーストリートマーケット:
- ドーバーストリートマーケット銀座
- ドーバーストリートマーケット ロンドン
- ドーバーストリートマーケット ニューヨーク
- ドーバーストリートマーケット ロサンゼルス
- ドーバーストリートマーケット シンガポール
特に第三弾のブラックパールコレクションは、コムデギャルソン青山店とミキモト各店でのみ販売されており、さらに入手困難なものとなっています。また、各店舗によって取り扱いのあるモデルが異なる場合もあり、特定のデザインを求める場合は事前に問い合わせることが推奨されています。
オンラインでの購入も限られており、ミキモトの公式オンラインショップでは一部のモデルのみが取り扱われています。コムデギャルソンの公式オンラインショップでもコラボレーションアイテムの取り扱いは限定的です。
このような限られた販売チャネルと生産数の制限は、コレクションの希少性と排他性を高め、コレクターズアイテムとしての価値を保っています。購入を検討している場合は、各店舗への事前の問い合わせや、限定発売情報のチェックが欠かせません。
ミキモトコムデギャルソンは中古市場でも人気で高値で取引されている
ミキモトコムデギャルソンのコラボレーションアイテムは、その希少性と独特のデザイン性から、中古市場でも高い人気を誇っています。新品では手が届かなかった層も中古で入手できる価格なら購入を検討する傾向があり、市場に出回るとすぐに売れてしまうケースが多いようです。
調査によると、中古市場でのこれらのアイテムの価格は、新品時の価格を維持するか、場合によっては上回ることもあります。特に第三弾のブラックパールコレクションは、その希少性からプレミアム価格で取引されています。ただし、具体的な中古価格は市場の需要と供給、アイテムの状態、付属品の有無などによって大きく変動します。
中古市場での価値を高める要素として、以下のポイントが挙げられます:
- 付属品の完備:メーカーの保証書や販売証明書などの書類、オリジナルのケースなどが揃っていると、真贋の証明になるだけでなく、再販価格にも大きく影響します。
- 状態の良さ:パールは繊細な素材であり、適切なケアが施されていないと劣化する可能性があります。傷や変色のない良好な状態のアイテムは高値で取引されます。
- 希少なモデル:全3回のコレクションの中でも、特に生産数の少なかったモデルや、特定の店舗限定モデルなどは、中古市場でもプレミアムがつきやすい傾向があります。
注意すべき点として、このコレクションの人気の高さから、模倣品や「偽物」が市場に出回っていることが挙げられます。安全ピンなどのデザイン要素を似せた非公式商品も存在するため、中古で購入する際は信頼できる販売店や専門の買取業者を通じて取引することが推奨されます。
中古市場での取引を検討する場合、専門の鑑定士によるオーセンティケーション(真贋判定)サービスを利用することも一つの選択肢です。高額な買い物になるため、確実に本物を手に入れるための投資と考えることができるでしょう。
ミキモトコムデギャルソンのデザインはコムデギャルソンの反骨精神とミキモトの伝統的美しさの融合

ミキモトコムデギャルソンのコラボレーションの最大の魅力は、一見すると相反する二つのブランドの哲学が見事に融合している点にあります。伝統と革新、エレガンスと反骨精神、クラシックとアヴァンギャルドの対比が、唯一無二のデザインを生み出しています。
ミキモトは1893年の創業以来、真珠の養殖技術を確立し、世界最高峰の真珠ジュエリーブランドとしての地位を築いてきました。その真珠は均一性、光沢、形の美しさにおいて最高品質を誇り、伝統的なエレガンスと洗練された美しさを象徴しています。
一方、コムデギャルソンは1969年に川久保玲によって設立され、常に既成概念に挑戦し続けてきたファッションブランドです。「美しさの新しい形」を追求し、時に不完全さや非対称性を取り入れた前衛的なデザインで知られています。
このコラボレーションでは、ミキモトの最高品質の真珠に、コムデギャルソンらしい反骨精神を表現する要素が加えられています。第一弾の無骨なシルバーチェーン、第二弾のセーフティピンやスタッズ、ファングといったパンクの象徴的モチーフ、第三弾のブラックパールとチェーンの組み合わせなど、各コレクションで異なるアプローチでこの融合を実現しています。
特に注目すべきは、これらのエレメントが単に組み合わされているのではなく、互いを高め合うように設計されている点です。シルバーチェーンの無骨さが真珠の繊細な美しさを際立たせ、逆に真珠の上品さがチェーンにエレガンスを与えています。セーフティピンやスタッズなどのエッジの効いたモチーフも、真珠との対比によって新たな表情を見せています。
このデザイン哲学は、川久保玲のファッションに対するアプローチとも一致しています。彼女は常に既成の美の概念に挑戦し、時に「美しくないもの」からも美を見出してきました。このコラボレーションも、パールジュエリーという伝統的な美の形式に新たな視点をもたらし、その可能性を広げています。
ミキモトコムデギャルソンのジュエリーに合わせるスタイリングのポイント
ミキモトコムデギャルソンのジュエリーは、その独特のデザイン性から、スタイリングの新たな可能性を広げてくれます。伝統的なパールネックレスとは一線を画すエッジの効いたデザインは、さまざまなファッションスタイルと相性が良く、着こなしの幅を広げてくれます。
男性がパールジュエリーを取り入れる場合のスタイリングポイントとしては、以下のようなアプローチが考えられます:
- モノトーンコーディネート:黒や白、グレーなどのモノトーンのアイテムと合わせることで、パールの美しさが際立ちます。特に黒のタートルネックやシンプルなシャツなどと合わせると、パールが主役になり、洗練された印象に。
- フォーマルスタイルのアクセント:スーツやジャケットスタイルにパールネックレスを合わせると、クラシックなフォーマルウェアに現代的なエッジを加えることができます。特にシンプルなデザインのスーツほど、このネックレスの個性が生きます。
- カジュアルミックス:Tシャツやデニムなどのカジュアルアイテムとミックスすると、ハイ&ローのコントラストが生まれ、こなれた印象に。特にオーバーサイズのTシャツや白シャツとの相性が良いでしょう。
女性の場合は、より多様なスタイリングの可能性があります:
- マニッシュスタイル:メンズライクなアイテムとパールの組み合わせは、ジェンダーレスな魅力を引き出します。シャツやジャケットのボタンを開けて、ネックレスを見せるスタイリングがおすすめです。
- フェミニンスタイルとのミックス:ドレスやブラウスなどのフェミニンなアイテムと合わせると、従来のパールネックレスとは異なる新鮮な対比が生まれます。特にシンプルなデザインのドレスほど、このネックレスの個性が際立ちます。
- レイヤードスタイル:他のネックレスと重ね付けすることで、よりパーソナルな表現が可能です。長さの異なるチェーンネックレスなどと組み合わせると、立体的な印象になります。
このコラボレーションのジュエリーは、TPOを選ばず様々なシーンで活躍します。日常のカジュアルウェアからビジネスシーン、特別なイベントまで、着こなしに新たな次元を加えてくれるでしょう。ただし、高価なジュエリーであるため、適切なケアと保管を心がけることも大切です。
ミキモトコムデギャルソンの類似品やコピー商品に注意が必要
ミキモトコムデギャルソンのコラボレーションの人気の高まりに伴い、残念ながら市場には類似品や非公式の「偽物」が出回っていることも事実です。これらの商品は、本物のコラボレーションアイテムのデザイン要素を模倣していますが、品質や価値は本物とは比較になりません。
特に第二弾コレクションの安全ピンやスタッズなどのモチーフは比較的模倣しやすいため、デザインを似せた非公式商品が多く存在します。これらの偽物は、見た目は似ていても、使用されている素材の質や加工技術、ブランドの正規品としての価値は大きく異なります。
本物のミキモトコムデギャルソンのジュエリーと偽物を見分けるためのポイントとしては、以下のような点に注意が必要です:
- 正規販売チャネル:ミキモト公式店舗、コムデギャルソン公式店舗、ドーバーストリートマーケットなどの正規販売店で購入することが最も安全です。不明なオンラインショップや非公式の販売経路には注意が必要です。
- 品質とディテール:本物のコラボレーションアイテムは、ミキモトの高品質な真珠とコムデギャルソンの細部へのこだわりが反映されています。真珠の光沢や形状、シルバー部分の仕上げ、細部の刻印などに注目しましょう。
- 付属品:正規品には、ミキモトとコムデギャルソンのダブルブランドロゴが入ったジュエリーケース、保証書、品質証明書などが付属しています。これらの付属品の有無や質も真贋判断の重要な手がかりとなります。
- 価格:「安すぎる」価格設定は、偽物である可能性を示唆しています。このコラボレーションの正規品は高価格帯に位置しており、市場価格を大幅に下回る価格で提供されている場合は疑ってみる必要があります。
中古市場で購入する場合は、信頼できる専門店や買取業者を通じて取引することをおすすめします。また、不安がある場合は、専門の鑑定サービスを利用することも一つの選択肢です。
高額な投資となるこれらのジュエリーは、その価値を長期的に保持するためにも、確実に本物を購入することが重要です。類似品や偽物を購入してしまうと、経済的損失だけでなく、本来得られるはずだった喜びや満足感も失われてしまいます。

まとめ:ミキモトコムデギャルソンは真珠の新たな価値を世界に提案した革新的なコラボ
最後に記事のポイントをまとめます。
- ミキモトコムデギャルソンは、2020年1月にパリのヴァンドーム広場で発表された革新的なコラボレーションプロジェクト
- 全3回のコレクションが2020年から2022年にかけて発表され、それぞれ独自のコンセプトとデザインを持つ
- 第一弾は2020年2月発売で、白蝶真珠とあこや真珠を使用したシルバーチェーンアクセントのパールネックレス7型を展開
- 第二弾は2021年3月発売で、「セーフティピン」「スタッズ」「ファング」の3つのモチーフを取り入れた7型を展開
- 第三弾は2022年4月発売で、ブラックパールを使用した2型のネックレスを展開
- 価格帯は約27万円から400万円までと幅広く、真珠の種類やデザインの複雑さによって異なる
- このコラボレーションはパールジュエリーのジェンダーレス化を推進し、男性も楽しめるパールという新たな価値観を提案
- 購入できる店舗はミキモト公式店舗、コムデギャルソン公式店舗、ドーバーストリートマーケットなどに限られている
- 中古市場でも高い人気を保ち、状態や付属品の有無によっては新品時の価格を維持または上回る取引も
- デザインはコムデギャルソンの反骨精神とミキモトの伝統的な美しさが融合した独自のスタイル
- スタイリングの幅が広く、モノトーンコーディネートやフォーマルスタイル、カジュアルミックスなど様々な着こなしに対応
- 人気の高さから類似品や非公式商品も出回っており、購入時は正規販売チャネルや品質、付属品などに注意が必要