日本を代表する2大ジュエリーブランド「ミキモト」と「タサキ」。真珠で有名なこの2つのブランドは、どちらも高品質な製品を提供していますが、その特徴や強みには明確な違いがあります。ブライダルリングや真珠製品を検討する際、この2つのブランドで迷っている方も多いのではないでしょうか。

今回はミキモトとタサキの違いを徹底比較します。両ブランドの歴史や特徴、真珠の品質、デザイン傾向、価格帯、アフターサービスまで、あらゆる角度から詳しく解説していきます。自分の好みやスタイル、予算に合ったブランド選びの参考にしてください。
記事のポイント!
- ミキモトとタサキの歴史と特徴の違い
- 両ブランドの真珠の品質とデザインの違い
- 価格帯や年齢層の違いと選び方のポイント
- それぞれのブランドのアフターサービスの特徴
ミキモトとタサキの違いは?歴史とブランド特徴を徹底比較
- ミキモトとタサキの歴史の違いは創業時期と養殖技術にある
- ミキモトはハイジュエラーとして世界的知名度を持つブランド
- タサキはダイヤモンド原石取引の「サイトホルダー」資格を持つ唯一の日本ブランド
- ミキモトとタサキの真珠の違いはカラー傾向と種類の多さにある
- ミキモトは皇室御用達で海外セレブにも愛されるブランド
- タサキは革新的なデザインで若い世代からも支持を集めている
ミキモトとタサキの歴史の違いは創業時期と養殖技術にある
ミキモトとタサキは、創業時期に大きな違いがあります。ミキモトは1893年、創業者の御木本幸吉が世界で初めて真珠の養殖に成功したことから始まりました。一方、タサキは1954年に「田崎真珠」として創業し、ミキモトより約60年後発のブランドとなります。
ミキモトは真珠養殖のパイオニアとして、半円真珠の養殖に成功してから12年後の1905年には真円真珠の養殖にも成功。黒蝶真珠や白蝶真珠の養殖にも取り組み、真珠養殖の歴史を築いてきました。銀座に1899年に日本初の真珠専門店「御木本真珠店」を開設し、1972年に現在の「株式会社ミキモト」に社名を変更しています。
一方、タサキは後発でありながらも独自の道を切り開きました。1970年には絶滅寸前となっていたマベ真珠の養殖に世界で初めて成功。素材の養殖から仕入れ、加工からデザイン、仕上げ、販売まで一貫して手がけるという強みを持っています。2009年に「タサキ」へと社名を変更し、新たなブランド戦略をスタートさせました。
両ブランドは真珠で有名ですが、養殖技術の歴史や発展の経緯が異なります。ミキモトが真珠養殖の歴史そのものを創り上げてきた老舗であるのに対し、タサキは戦後の自由貿易拡大時期に真珠産業を発展させるという使命のもとに力を注いできたブランドなのです。
創業時期の違いは、両ブランドのアイデンティティや市場での位置づけにも影響を与えています。ミキモトは「伝統と格式」、タサキは「革新と挑戦」というイメージが定着しているようです。
ミキモトはハイジュエラーとして世界的知名度を持つブランド
ミキモトの最大の特徴は、「東洋唯一のハイジュエラー」としての地位を確立していることです。ハイジュエラーとは、歴史、伝統、技術力、豊富な品揃えを持ち、多くの人から羨望されるようなデザインや審美眼にかなう作品を作り続けるブランドのことを指します。東洋の中でこの条件を満たしているブランドは、ミキモトだけと言われています。
1913年にはロンドンに店舗を出店したのを皮切りに、現在はパリのヴァンドーム広場、ニューヨークの五番街、ロンドンのニューボンドストリートなど、世界の一流宝石店が集まる場所に店舗を構えています。これは単なる海外進出ではなく、世界のプレミアム・ジュエリーブランドとしての地位を確立していることの証でもあります。
特に注目すべきは、パリのヴァンドーム広場に店舗を構える唯一の日本のジュエラーであることです。ヴァンドーム広場はカルティエやブシュロン、ショパールなど世界の最高級ジュエリーブランドが軒を連ねる場所であり、ここに店を構えられること自体が世界的な評価の証です。
また、ミキモトは真珠だけでなく、ダイヤモンドの歴史においても日本で重要な役割を果たしてきました。1911年にはベルギー・アントワープにスタッフを派遣し、カットや研磨技術を習得させてダイヤモンドの加工機械を日本に持ち帰らせました。日本のダイヤモンドジュエリーの歴史はここから始まったと言っても過言ではないのです。
ミキモトが世界的なブランドとして認められている理由は、真珠養殖の革新性だけでなく、ジュエリーデザインへのこだわりや高品質な素材の追求など、多角的な取り組みの結果だと言えるでしょう。
タサキはダイヤモンド原石取引の「サイトホルダー」資格を持つ唯一の日本ブランド

タサキの最大の特徴の一つは、世界最大手のダイヤモンド原石供給元であるデビアスグループから直接原石を取引できる「サイトホルダー」の資格を持つ、日本唯一のブランドであることです。この「サイトホルダー」の称号を持つ企業は世界でも82社未満(2017年時点では87社)しかなく、極めて希少です。
この称号は1994年に取得されましたが、簡単に手に入るものではありません。デビアス社の厳しい基準をクリアした、選ばれたブランドだけがこの資格を得ることができます。サイトホルダーの資格があるブランドは、ダイヤモンド業界を牽引できるような企業でなくてはならず、その資格を持つことで高品質な原石を適正価格で安定的に仕入れることが可能になります。
タサキのダイヤモンドの評価基準は非常に厳しく、カットグレードの中でも最高とされる「トリプルエクセレント」を使用しています。一般的にダイヤモンドを評価する4C(カット、カラー、クラリティ、カラット)の中で、人の手で加工できるのはカットのみです。タサキはこのカットに高い技術を注ぎ、美しいダイヤモンドを提供しているのです。
また、タサキは2009年より米国のファーストレディーであったミシェル・オバマ夫人からも評価されている新鋭デザイナー、タクーン・パニクガルをクリエイティブディレクターとして招き、従来の真珠ジュエリーの概念を打ち破る斬新なデザインを次々と発表しています。
さらに、タサキ銀座本店では「タイムレスメッセージ」というサービスを提供しており、高品質なダイヤモンドを「原石」から選ぶことが可能です。好みのカットとデザインに仕立ててもらえるこのサービスは、原石からカットや研磨を自社で一貫して行うタサキだからこそできることです。
ミキモトとタサキの真珠の違いはカラー傾向と種類の多さにある
ミキモトとタサキでは、扱う真珠のカラー傾向や種類に違いがあります。ミキモトは白を基調とした真珠を多く取り扱い、タサキはピンク味の強い真珠をブランドカラーとして特色にしています。
ミキモトは「ミキモトパール」の名前で世界的に知られており、特に白い真珠の美しさを追求しています。珠の中心がかえるの卵のように黒っぽくぎゅっとしているものを好んで選んでいるという特徴もあります。上品で清楚な印象を与える白い真珠は、ミキモトの伝統的なイメージにもマッチしています。
一方、タサキはピンク味が強いパールを多く取り扱っています。珠の輪郭がはっきりと際立っているものを好んで選んでいる傾向があり、若々しく鮮やかな印象を与えます。タサキの買い付けではピンク味の強いものを意識的に選んでいるとされています。
また、取り扱う真珠の種類にも違いがあります。ミキモトは主にアコヤ真珠を中心に展開していますが、黒蝶真珠や白蝶真珠、コンクパールなどの様々な真珠を使ったアクセサリーも提供しています。
一方、タサキはアコヤ真珠を中心に多種の真珠を取り扱っており、色や形、大きさなど自分の好みに合わせた真珠を選ぶことができます。アコヤ真珠のほか、ミャンマーゴールド、白蝶真珠、黒蝶真珠、マベ真珠、淡水真珠、バロック真珠などバリエーション豊かな真珠を扱っています。
真珠の品質については、両ブランドとも最高レベルを追求しています。しかし、タサキでは「巻き」(真珠層の厚さ)に特に重点を置いており、核のサイズを小さめにして時間をかけて育てることで、美しい干渉色と光沢を実現しています。
ミキモトは皇室御用達で海外セレブにも愛されるブランド
ミキモトは皇室御用達ブランドとして知られており、日本においては最高のステータスを持つジュエリーブランドの一つです。秋篠宮様の結婚式ではティアラとして使用されるなど、皇室との関わりも深いブランドです。
また、海外でも高い評価を受けており、モナコ王妃であったグレースケリーをはじめとする世界のロイヤルファミリーからも愛されています。エンターテイメント業界では、人気ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の主人公キャリーが着用するネックレスとしても登場し、ファッションアイコンとしての地位も確立しています。
日本国内では、蛯原友里さんなどのファッションリーダー的な存在のセレブリティにも支持されており、その品質と美しさは幅広い層に認められています。特に「ミキモト銀座4丁目本店」は、海外観光客が日本旅行の目的地の一つとして立ち寄るほど有名で、日本を代表する高級ブランドショップとしての地位を確立しています。
ミキモトの真珠は「品質の証」とも言われており、その評価基準は非常に厳しいものです。世界中から集められた真珠の中から、厳選された最高品質のものだけが「ミキモトパール」として販売されています。
その評価基準は「4C」と呼ばれるダイヤモンドの評価基準に外部の鑑別会社だけに任せるのではなく、ミキモト独自の宝石鑑定者が厳しく選び抜いたダイヤモンドだけを使用しています。そのため、4Cだけではなく数多くの項目をミキモトの宝石鑑定者の確かな目で確認することで、独自の美しいダイヤモンドを提供することができるのです。
タサキは革新的なデザインで若い世代からも支持を集めている
タサキが特に注目されている理由の一つは、その革新的なデザインにあります。2009年に社名を「田崎真珠」から「TASAKI」に変更した際、新鋭デザイナーのタクーン・パニクガルをクリエイティブディレクターとして迎え入れました。この転換点から、タサキはより斬新でモダンなデザインのジュエリーを次々と発表するようになりました。
タクーン・パニクガルによって生み出された「バランス」シリーズをはじめとするアイコニックジュエリーは、パールジュエリーの固定概念を打ち破りながらも、パール本来の美しさを追求したデザインとなっています。このような常に最高峰の品質、技術、デザインでジュエリーの美しさを追求し続ける姿勢は、「タサキ」ならではの特徴です。
そのモダンなデザインは多くの人々を魅了し、特に若い世代からの支持を集めています。タサキのジュエリーは、テレビドラマや映画、国際映画祭などでも積極的に活用されており、テイラー・シリングや中谷美紀、宮沢りえなど世界的な女優たちが身に着けることでも話題になっています。
また、タサキには「真珠にとらわれない」という姿勢も見られます。様々な貴石や素材を組み合わせた斬新なデザインは、ジュエリーのトレンドをリードする存在として業界内外から高い評価を受けています。
タサキが提案するジュエリーは、伝統的な「母から娘へ」といった継承の価値観だけでなく、「自分らしさを表現する」ための現代的なアイテムとしての役割も果たしています。30代後半から40代を中心に、ファッション感度の高い女性たちから支持を集めているのは、このような革新的なアプローチがあるからこそと言えるでしょう。

ミキモトとタサキの違いはデザインや価格にも表れる
- ミキモトとタサキのデザインの違いは伝統的vs革新的という対比
- ミキモトはエレガントで上品なデザインが人気
- タサキはモダンで斬新なデザインが特長である
- ミキモトとタサキの価格帯は最高価格に大きな違いがある
- タサキはサイトホルダーとして最高品質のダイヤモンドを提供
- ミキモトとタサキを選ぶなら年代や好みのスタイルで決めるのがおすすめ
- まとめ:ミキモトとタサキの違いを知って自分に合ったブランドを選ぼう
ミキモトとタサキのデザインの違いは伝統的vs革新的という対比
ミキモトとタサキの最も顕著な違いの一つがデザイン哲学です。この2つのブランドは同じ日本のジュエリーブランドでありながら、まったく異なるデザインアプローチを持っています。
ミキモトのデザインは「上品」「エレガント」「清楚」といった言葉で表現されることが多く、上質な素材を活かした伝統的で格調高いスタイルが特徴です。ミキモトは創業当初から欧米にスタッフを派遣し、欧米のジュエリーデザインと技術を学ばせました。その技術と日本の伝統技法を合わせた「ミキモトスタイル」と呼ばれるジュエリーを確立し、ミル打ちなどの細やかな技術で創り上げた作品を発表しています。
一方、タサキのデザインは「斬新」「革新的」「個性的」といった言葉で形容され、従来の真珠ジュエリーの概念を覆すようなモダンなデザインが特徴です。特に2009年にクリエイティブディレクターにタクーン・パニクガルを起用してからは、その傾向がより顕著になっています。
ミキモトのデザインは年上の世代にも受けがよい愛らしさのあるスタイルが多く、幅広い年齢層をターゲットにしています。特に30代〜50代以上の女性に人気があり、冠婚葬祭やフォーマルな場にも相応しい上品なデザインが揃っています。
対照的に、タサキのデザインは30代後半〜40代の比較的若い世代をターゲットにしており、斬新なフォルムや素材の組み合わせによって、従来のパールジュエリーのイメージを一新するような作品を多数展開しています。この革新的なアプローチによって、タサキは従来のパールジュエリーに興味を持たなかった層からも注目を集めるようになりました。
ミキモトはエレガントで上品なデザインが人気
ミキモトのデザインは、長い歴史の中で築かれた確固たるスタイルがあります。基本的には上品でエレガント、清楚な印象を与えるデザインが主流で、特に真珠の持つ自然な美しさを最大限に引き出すようなシンプルなデザインが多いのが特徴です。
婚約指輪の例を挙げると、「DGR-1251R」のような余計な飾りのないシンプルな正統派ソリティアリングが定番です。このようなデザインは、上質なダイヤモンドの輝きを最大限に楽しめるものとなっています。また「DGR-72058BR」のようなメレダイヤを2列で敷き詰めた贅沢なデザインや、「DGR-72061BR」のようなヘイローセッティングのダイヤモンドに透かし細工を施した華やかなデザインなど、伝統的でありながらも女性らしい柔らかさを感じさせる作品も人気です。
最近ではモダンな要素を取り入れたコレクションも登場しています。例えば「PASSIONOIR(パッショノワール)」は、PASSION(情熱)とNOIR(黒)を合わせた造語で、真珠がもつ無垢な美と漆黒の世界で更なる真珠の可能性を追求した、ミキモトとして初めて”黒”の世界を表現したコレクションです。柔らかな曲線のフォルムにアコヤ真珠を包み込むようなデザインのイヤーカフや、ブラックのチェーンに黒蝶真珠をあしらったブレスレットなど、従来のミキモトのイメージを逸脱するような力強いデザインも展開しています。
また「M Code Liberté(Mコード リベルテ)」のように、フランス語で”自由”を意味するリベルテをコンセプトに、アジャスターで留める位置を変えることで自由にアレンジを楽しめるシリーズも登場しています。このようなコレクションは、伝統を大切にしながらも新しい表現を模索する、ミキモトの進化の証と言えるでしょう。
それでもミキモトの根底にあるのは、「品格」「上品さ」「エレガンス」といった価値観です。どのデザインも洗練されており、時代を超えて愛される普遍的な美しさを持っています。そのため、特別な記念日や重要な式典などで身に着けるジュエリーとして、多くの人から選ばれ続けているのです。
タサキはモダンで斬新なデザインが特長である
タサキのデザインの最大の特徴は、パールジュエリーの固定概念を打ち破る斬新でモダンな表現にあります。特に2009年にタクーン・パニクガルをクリエイティブディレクターとして迎えて以降、従来の真珠ジュエリーとは一線を画すデザインを次々と発表しています。
例えば、タサキを代表するコレクション「バランス」は、真珠とメタルをバランスよく配置した独創的なデザインが特徴です。このシリーズは、見る角度によって表情が変わる立体的な美しさを持ち、伝統的な真珠ジュエリーのイメージを覆すインパクトがあります。
婚約指輪のデザインでも、タサキの革新性は明確に表れています。「ピアチェーレ ソリティア パヴェ リング」は、シンプルなソリティアタイプのリングですが、アームにはグラデーションでメレダイヤが並べられた女性らしいデザインとなっています。
さらに「ピアノ ソリティア リング」は、ピアノの音色をイメージしたデザインで、音を奏でるようにランダムにカットされているアームが印象的です。このリングには、タサキオリジナルの「SAKURAGOLD」と呼ばれる桜をテーマに開発された独自のピンクゴールドも使用されています。「トラペツィオ リング」はダイヤモンドを象ったファセットが印象的なデザインで、プリンセスカットのダイヤモンドがセッティングされた気品あふれる作品です。
タサキの特徴的なのは、単に斬新なだけでなく、素材へのこだわりも強いことです。「SAKURAGOLD」のような独自開発の素材や、プラチナにおいても独自の特許取得の硬化処理を施した「Pt950」を使用するなど、見た目だけでなく素材の品質や耐久性にも革新を起こしています。
モダンでありながらも品質にこだわるタサキのデザインは、ファッション感度の高い女性や、従来のパールジュエリーには興味を持たなかった層にも響いています。人と同じものではなく、個性的で洗練されたデザインを求める方に特に支持されているブランドだと言えるでしょう。
ミキモトとタサキの価格帯は最高価格に大きな違いがある

ミキモトとタサキでは、扱う価格帯にも違いがあります。調査の結果、両ブランドとも高級ジュエリーブランドとして相応の価格設定ですが、最高価格帯については違いが見られます。
ミキモトの価格帯は以下の通りです:
- 婚約指輪:約20万円〜300万円台
- ボリュームゾーンは30万〜40万円だが、300万円台のものも種類が豊富
- 結婚指輪:約9万円〜120万円
- シンプルなものは10〜20万円がボリュームゾーン
一方、タサキの価格帯は:
- 婚約指輪:約20万円〜200万円
- ボリュームゾーンは40〜50万円
- 結婚指輪:約7万円〜75万円
- ボリュームゾーンは10〜30万円
両ブランドとも入門価格帯はさほど変わりませんが、ミキモトの方が最高価格帯のバリエーションが豊富です。ミキモトでは300万円台の婚約指輪も数多く取り揃えており、より高級志向の顧客にも対応しています。
これは単純にミキモトの方がブランド料金が高いということではなく、両ブランドの歴史やポジショニングの違いを反映していると考えられます。ミキモトは世界的なハイジュエラーとして、より幅広い価格帯の商品を提供することで多様な顧客のニーズに応えている一方、タサキはダイヤモンドのサイトホルダーとしての強みを活かした中〜高価格帯の商品に集中している面があります。
パールネックレスについても、両ブランドでは価格設定に違いがあります。ミキモトでは「Mikimoto Premium」の7.5-8.0mmパールネックレスが140万円前後と高価格です。一方、タサキでも同等クラスのパールネックレスは高額ですが、一般的にはミキモトよりも若干リーズナブルな傾向があると言われています。
ただし、どちらのブランドも品質には妥協がなく、価格に見合った価値を提供しています。最終的には自分の予算と優先したい要素(デザイン、品質、ブランド力など)を考慮して選ぶことが大切です。
タサキはサイトホルダーとして最高品質のダイヤモンドを提供
タサキの最大の強みの一つは、ダイヤモンド業界における「サイトホルダー」の地位です。この称号は非常に重要な意味を持っており、タサキがダイヤモンドジュエリーにおいても確かな品質を提供できる根拠となっています。
サイトホルダーとは、世界最大手のダイヤモンド原石供給企業であるデビアスグループと直接取引できる特別な資格を持つ企業のことです。この資格を持つことで、タサキは高品質なダイヤモンド原石を安定的に直接仕入れることができます。世界でも87社程度(2017年時点)しかない希少な地位であり、日本では唯一タサキだけがこの資格を持っています。
この資格を活かし、タサキは石の選定から販売まで一貫して行うことができるため、高品質のダイヤモンドを適正価格で提供できるのです。タサキのダイヤモンドは、カットグレードでは最高とされる「トリプルエクセレント」を使用しています。ダイヤモンドの品質を決める4C(カット、カラー、クラリティ、カラット)のうち、人の手で加工できるのはカットだけであり、タサキはこの部分に高い技術を注いでいます。
また、タサキのダイヤモンドは以下の品質基準を満たしています:
- カット:トリプルエクセレント
- クラリティ:VS2〜FL(非常に小さな内包物〜完全に欠陥がない)
- カラー:D〜H(最高級の無色〜ほぼ無色)
これらの高い基準は、GIA(米国宝石学会)などの外部機関の鑑定によっても確認されています。タサキの厳しい品質管理は、どのような外部評価でも変わることがないほど確かなものだとされています。
さらに、タサキ銀座本店では「タイムレスメッセージ」というサービスを提供しており、ダイヤモンドの「原石」から選ぶことができます。これは原石からカットや研磨を自社で一貫して行うタサキだからこそ可能なサービスであり、顧客にとっては世界に一つだけの特別なジュエリーを作る機会となっています。
高品質なダイヤモンドへのこだわりは、タサキの婚約指輪や結婚指輪にも反映されており、特に輝きを重視する方からの信頼を集めています。
ミキモトとタサキを選ぶなら年代や好みのスタイルで決めるのがおすすめ
ミキモトとタサキはどちらも高品質なジュエリーを提供していますが、その特徴やデザイン哲学は大きく異なります。そのため、どちらを選ぶかは主に購入者の年代や好みのスタイルに合わせて決めるのがおすすめです。
年齢層で考えると、ミキモトは30代〜50代以上の幅広い年齢層に支持されています。特に伝統的な価値観を大切にする方や、洗練された上品なスタイルを好む方に適しています。デザインがベーシックなものも多いため、どの世代でも美しく映えるという特徴があります。
一方、タサキは30代後半〜40代を中心とした、比較的若い世代に人気があります。モダンでファッション性の高いデザインを好む方や、従来の真珠ジュエリーのイメージにとらわれない新しい表現を求める方に向いています。
スタイルや好みの観点では、ミキモトは以下のような方におすすめです:
- 上品で清楚なデザインが好きな方
- きれい系、お嬢様系のファッションが多い方
- 年配の方にも受けの良い伝統的なデザインを求める方
- アフターサービスを重視する方
- 海外でも通用する有名ブランドを求める方
対して、タサキは以下のような方に向いています:
- 他の人とかぶらない個性的なデザインを求める方
- ダイヤモンドの品質にこだわりたい方
- 豊富なデザインの中から選びたい方
- ファッションの流行に敏感な方
- 革新的で現代的なジュエリーを好む方
もちろん、両ブランドとも真珠やダイヤモンドの品質は最高級ですので、最終的にはデザインの好みと予算に合わせて選ぶと良いでしょう。また、実際に店舗で商品を見比べることも大切です。特に婚約指輪や結婚指輪など、一生モノのジュエリーを選ぶ際には、カタログやウェブサイトの写真だけでなく、実際に手に取って自分の肌や指にフィットするかを確かめることをおすすめします。
両ブランドとも全国に店舗を展開していますが、ミキモトの方が直営店舗数が多く(ミキモト96店舗、タサキ61店舗)、アクセスのしやすさでは有利かもしれません。

まとめ:ミキモトとタサキの違いを知って自分に合ったブランドを選ぼう
最後に記事のポイントをまとめます。
- ミキモトは1893年創業の老舗で世界初の真珠養殖に成功した歴史あるブランド
- タサキは1954年創業で後発ながらもマベ真珠養殖に成功し独自の地位を確立
- ミキモトは「東洋唯一のハイジュエラー」として世界的な知名度を持つ
- タサキは日本唯一の「サイトホルダー」としてダイヤモンド原石を直接取引できる強みがある
- ミキモトの真珠は白基調で清楚な印象が特徴的
- タサキの真珠はピンク味が強く多種多様な真珠を取り扱っている
- ミキモトは皇室御用達で伝統的な価値を重視するブランド
- タサキはデザイナー「タクーン・パニクガル」の起用で革新的なデザインを打ち出している
- ミキモトはエレガントで上品なデザインが主流で幅広い年齢層に人気
- タサキはモダンで斬新なデザインが特徴で30代後半〜40代に支持されている
- ミキモトの婚約指輪は約20万円〜300万円台、タサキは約20万円〜200万円と最高価格に差がある
- ミキモトとタサキはどちらも高品質なジュエリーを提供しているため、最終的には年代や好みのスタイルで選ぶのがおすすめ